NITSニュース第223号 令和5年11月2日

新たな教職員の学び

独立行政法人教職員支援機構 理事 鍋島豊

令和5年4月に教職員支援機構(NITS)にまいりました鍋島です。NITSニュース読者の皆様、どうぞよろしくお願いします。
NITSでは、中央教育審議会提言を踏まえ、令和4年7月に「NITS戦略」を策定し、教職員の方々の新たな学びについて、模索しながら取り組んでいます。令和5年度は、全国の教職員研修のハブ機能として、新たに「次世代型教職員研修開発センター」を設置しました。「新たな教職員の学び」に向け、当センターでは、令和5年度、主に以下の3つの取組を行いました。

  1. 探究的な学びについて、自ら問いを立てて協働的に探究する、「コア研修(1年コース2年コース)」の実施(令和5年7~8月、10月)
  2. 教育行政リーダーの協働的な学びとして、教育委員会や教育センター幹部職員等を対象とした、「教育行政リーダー研修」の実施(令和5年8月)
  3. 新たな学びを牽引するオンライン研修の充実

また、NITS内でも、「新たな教職員の学びとは何か」等の問いを立て、2週間に一度集まり、グループ協議中心の議論を行うことで、互いの学びを深め合う「研修マネジメント力育成プログラム(略称:マネプロ)」を行っております。更に令和5年11月1日・2日には、全国の教職員を対象とした「マネプロ(全国版)」を、「新たな教職員の学びをデザインする」ことをテーマに、オンラインという形で開催しました。

このような取組はNITSだけでできるものではなく、全国の教育委員会や教育センターのみならず、教職大学院等との連携・協働が、より一層重要になってきています。

教職大学院においても、例えば、福井大学教職大学院での、学校現場の実践を大事にした学校現場の研究発表や、それぞれの取組や経験を長い時間をかけてじっくりと語り合うラウンドテーブル、山口大学教職大学院での、学部生や教職大学院生が、先輩教員や学校現場に精通した大学教員と語り合うちゃぶ台プログラムなど、学校現場や教育委員会に寄り添った取組が進められています。

先日、信州大学教職大学院の南信州サテライトキャンパスを訪問しました。このキャンパスは、南北に長い長野県において、南信州エリアを中心とする現職教員対象の研修等における移動距離を軽減することを目的に、飯田市の中学校の一角をお借りして、昨年度設置されたものです。学校や教育委員会の経験豊富な方が常駐され、南部の学校の教職大学院生や教職員のよりどころになっています。長野県の教育事務所は少し北部の伊那市にありますが、キャンパスを通じて、良い連携をされていると感じました。

これからもNITSは、「新たな教職員の学び」について、悩んだり、試行錯誤したりしながらも取り組んでいき、全国の教育委員会、教育センター、教職大学院等と連携・協働を深めながら進めていきたいと思っています。子供を主語にした学校教育のため、今後とも、ご協力をお願いいたします。