令和7年度NITS調査研究プロジェクトについて(2)
教職員の学びに対する支援を充実させるためには、教職員の学びを取り巻く環境や学びの内実に関する知識・知見が欠かせません。またそうした知識・知見は信頼性の高いものである必要があります。当機構では、研究者の参画を得ながら、教師の養成・採用・研修の改善に資する専門的・実践的な調査研究プロジェクトに取り組んでいます。以下では、令和7年度に実施している調査研究プロジェクトのうち、2件の途中経過について紹介します。
①ニーズベースの研修支援モデルの構築と実装化
本プロジェクトでは、教職員がどのような研修ニーズを有しているか、それに基づいて教職員の研修をどう支援していくかを検討していくために、各自治体等とも連携しながら質問紙調査やインタビュー調査を行い、①研修ニーズの把握、②研修と学びの実態の把握、③研修の即時的・波及的効果測定に取り組んでいます。これらを通して得られた知見を分析・発信し、教師の継続的な学びを支えるシステムの構築に貢献していくことを目指しています。
今年度は、ヨーロッパ教育学会(EERA)において、本プロジェクトの成果の一部を発表しました。発表では、研修プログラムの開発に資する知見として、教師の様々な職務について、それぞれをどの程度重要だと捉えているか、また自身が十分に遂行できていると感じているかの実態について、ジェンダーの視点から分析・考察を行いました。現在は、本プロジェクトで見出された知見をより広く発信するため、報告書の作成に取り組んでいます。
②日常的な校内研修の充実
各学校において中心となるリーダーをどう育成するか、また校内研修を継続的に実施するための校内組織をどう構築していくかを明らかにすることを目的として、本研究では、校内研修文化が根付いた学校への訪問調査や教育関係者を対象とした質的・量的調査を実施しました。これらを通して得られた知見を分析・発信し、全国的な校内研修のさらなる充実につなげることを目指しています。
今年度では、世界授業研究学会(WALS)において、本プロジェクトの成果の一部を発表しました。発表では、日本の校内研修を支える社会的および組織的構造に焦点を当て、教員間で校内研修およびその継続的な実施を支える「キーパーソン」の役割について、アンケート調査による量的分析と、2校の学校事例分析を通して明らかにしました。今後は、本プロジェクトの知見をより広く発信するため、書籍出版に向けた取り組みを進めてまいります。
その他、過去の調査研究プロジェクトの成果は「NITS調査研究プロジェクト一覧」で公開しています。