アクティブ・ラーニング授業実践事例

学校名:彦根市立金城小学校
教科等:2年算数科(平成28年10月)
単元名:三角形と四角形

算数の用語を適切に使って説明する力を育成したい

  • 興味や関心を高める
  • 多様な手段で説明する
  • 知識や技能を活用する

実践の背景

  • 学校教育目標「郷土を愛し世界と未来に目を向け心豊かにたくましく生きる子どもの育成」に向け、目指す子供の姿を「3つの力(気力:やりぬく力・学力:考える力・体力:きたえる力)と3つの心(自立心・共生心・公共心)」と整理し、その実現に全教員で取り組んでいます。
  • 教員が、他の学年の学ぶ内容や学び方を知ったうえで授業を構想できるようになることが、6年間を通じた資質・能力の育成に必要であると考え、担当学年等を縦割りにした研究グループを組んで、指導案検討会や授業協議会等を行っています。

授業改善のアプローチ

  • 友達がかいた図や立てた式についてどのように考えたのかを問うたり、学習内容の理解が遅い等の困難を示す児童の考えを取り上げて学級全体で問いを共有することで、互いの考えを比較・検討し、考えを練り上げてよりよい解法や表現に洗練させていったり、その解法や表現のよさを味わったりすることができるようになることを目指しました。
  • 生活場面への適用を図る題材を取り入れ、用語や定義を使って説明をする必要性がある問題を設定しました。

単元づくりのポイント

目標

  • 身のまわりから、三角形、四角形、正方形、長方形、直角三角形を見付けようとする。
    【算数への関心・意欲・態度】
  • 三角形、四角形、正方形、長方形、直角三角形の特徴を見いだすことができる。
    【数学的な考え方】
  • 定義や性質に着目して図形を弁別し、そのわけを説明することができる。
    【数学的な考え方】
  • 三角形、四角形、正方形、長方形、直角三角形を紙でつくったり、方眼などを用いて作図したり、しきつめたりすることができる。
    【数量や図形についての技能】
  • 三角形、四角形、正方形、長方形、直角三角形の用語や構成要素(辺、頂点、直角)、定義、性質について理解する。
    【数量や図形についての知識・理解】
  • 平面を図形でしきつめて、そのなかからいろいろな形を認めたり、できた模様の美しさを感じたりするなど図形についての豊かな感覚をもつ。
    【数量や図形についての知識・理解】

展開

1〜7
  • 三角形と四角形
  • 長方形と正方形
  • 直角三角形

用語を知り、それらを実際につくったり調べたり弁別したりする等の算数的活動 を通して、定義を理解する

8

身近なものへの適用を図る
(本時)

9

しきつめの活動を通して、各図形の理解を深める

10

まとめの問題を解き、学習内容 を確認する

「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善

本時のねらい

身近な物の中から図形を見出し、定義にもとづいて長方形、正方形、直角三角形に弁別し、そのわけを説明することができる。

授業場面より

  • ①課題を知り、解決の見通しを持つ

     課題を知り、解決の見通しを持つ画像

    学校等のいろいろな場所の写真を大型モニターで提示します。鉄棒の支柱など児童にとって身近な場所・物なので、児童たちの関心は高まりますが、児童の関心は、それがどこなのか、何が写っているのがということにありました。そこで「ここに今までに習った形が隠れているんだよ。見付けて仲間に分けられるかな」という教師が問いかけることで、「三角形がある。」などの発言が出てきました。事象を図形及びそれらの関係などに着目して捉えるという、「数学の見方」を働かせながら、日常の場面を捉え直して課題に向かっている姿です。

  • ②個人で課題解決に取り組む

    個人で課題解決に取り組む画像

    それぞれで課題について考えます。学習プリントには、場面1で提示されたものと同じ写真が印刷されているほか、どの図形だと考えたかとそう考えた理由を書くようになっています。児童は、これまでの授業の学習プリントを見返したり、定義が書かれた教室壁面の掲示物を見たりしながら形を弁別し、弁別の理由を記述していきます。教師は、書くが直角かどうか調べるときの三角定規の使い方が定着していない等、支援が必要な児童に個別に関わりながら、どこでどのようなつまずきがあるのか丁寧に見取り、次の全体検討の進め方についての計画を練ります。

  • ③全体で考えを検討する
     

    全体で考えを検討する画像

    弁別した結果とその理由を話し合う場面です。児童は、書画カメラで大型モニターに提示した図形に三角定規をあてたり(①)、丸に切られた紙に示された写真を回転させたり(②)しながら、どの図形と考えたのか説明しました。教師は、活動2の見取りをもとに、対話によって説明がよりよい表現になっていくよう、計画的な指名をするなど全体での話合いをコーディネートしていきます。このような検討を通して自分の考えが間違いであることや説明が不十分であることに気が付いた児童は、ワークシートの図への書き込みや説明の言葉などを修正(③)していきました。

  • ④評価問題に取り組み、自分でできるようになったか確認する

    評価問題に取り組み、自分でできるようになったか確認する画像

    まとめとして、教室内にある長方形、正方形、直角三角形を見付ける課題に取り組みました。ワークシートには、④見付けた場所 ⑤見付けた形 ⑥その形だと思った理由 を書くようになっています。教室の窓が正方形になっていることを見付けた児童は、その理由を「かどがみんな直角で、辺の長さがみんな同じだから」と記述するなど、自分が見付けた形であることを説明するために用語を的確に使って説明することができました。教師が提示した物を考えるにとどまらず、児童自身が日常の事象を図形という視点で捉え直している姿です。
    学習を振り返り、「教室じゃないところからも勉強した形を探してみたい。」等、身に付けた知識・技能を自ら活用しようとする思いを持って1時間の学習を終えることができました。

報告者:研修協力員  平中