アクティブ・ラーニング授業実践事例
学校名:市川市立第六中学校
教科等:2年保健体育科(平成29年10月)
単元名:ダンス
テーマから表したいイメージを捉え、仲間と共有した思いを表現する力を育成したい
粘り強く取り組む
共に考えを創り上げる
思考して問い続ける
実践の背景
- 実践校は、「やさしく たくましく 生きる人間に成長しよう」を学校の教育目標に掲げ、知・徳・体のバランスのとれた生徒の育成と社会に開かれた学校作りを目指しています。
- 学校教育目標を具現化するために、「意欲の向上」「学力の向上」「心の教育の推進と心身の健康」を柱とする指導に、全職員が組織的に取り組んでいます。
- 学校として各教科のルーブリックを作成し、年間を見通した単元作りを行っています。
授業改善のアプローチ
- 「つたえる」というテーマのもと、生徒がダンスのシナリオなどを考え、仲間との協働的な活動を通して、主人公の思いを表現できるよう単元計画を工夫しています。
- 自分たちの表現を客観的に鑑賞する場面を設定し、互いのよさを認め合うことや自分の役割を果たす態度を重視しています。
- 健康な体作りを目指し、各領域ごとの特性を生かした補強運動を実施しています。
単元づくりのポイント
目標
- 主人公の心情を理解し、自分なりの踊りで表現することの楽しさや喜びを体感することができる。
【運動についての知識・理解】 - 自己やグループにおける課題を見出し、その解決を通して、特性に応じた運動の楽しさや喜びを実感する。
【運動についての思考・判断】 - 習得したステップ等の動きを活用して、作品に込められた思いを体全体で表現できる。
【運動の技能】 - お互いに教え合ったり、よさを認め合ったりするなど、仲間を大切にしながら学習ができる。
【運動への関心・意欲・態度】
展開
①テーマをもとに題名とあらすじを決定して、曲を選び、イメージを膨らませる。
②~④創作活動1 2~3人組のグループで動きを創作して、即興的に踊る。
⑤7~8人グループで創作した動きをつなぎ合わせる。
⑥中間発表会 場面ごとにお互いの作品を鑑賞する。
⑦~⑧創作活動2 クラス全体で全体の流れを作り(教え合い)、踊り込む。
⑨リーダーを中心に話し合い、作品をブラッシュアップする。
⑩~⑪クラス全体の作品を鑑賞し合い、改善点を修正し、よりよい動きを追究する。(本時)
⑫発表会 クラス全員で作品を踊り、まとめる。
「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善
本時のねらい
自分たちの動きを相互に鑑賞し、仲間との対話を通して課題や改善策を考え、、主人公の思いを深く理解した表現を追究することができる。
授業場面より
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①健康な体作りへの意識を高める
準備運動として音楽に合わせて基本ステップを盛り込んだリズムダンスを踊った後、ダンスの特性に応じた柔軟体操やタオルを使ったストレッチなど、健康な体作りを目指した補強運動を行います。ある生徒は「最近リズムダンスをやっても最後まで息が切れなくなった」というように体を動かすことの楽しさを味わうとともに、個人の状況に応じて体力を高めることの重要性に気付いたようでした。「以前よりも手が足に届くようになった」「もっとお風呂上がりに柔軟をしよう」など生徒同士の会話からも、体作りについての意識を高めている様子が見られました。
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②各グループで振り付けを考える
3つのグループがそれぞれ「はじめ」「なか」「おわり」を担当し、変化と起伏を意識しながら創作した動きを一つにつなげた踊りを鑑賞し合います。教師は、群の動きを意識することや、多様な感じを表現するために動きにめりはりをだすことなどを鑑賞の視点として示します。鑑賞後、対話を通して、動きを大きく見せるため「指先やつま先を伸ばそう」「目線を指先にもっていこう」などの改善点が出されました。そして、動きに様々な主人公の喜怒哀楽が込められていきました。 -
③全体での通し練習で思いを表現する
改善点が明確になり、踊りの質が向上しました。踊っている生徒からも「緩急をつけよう」「移動は速く」といった声も出るようになりました。以前は、自分の主張ができなかった生徒が、良い作品を創り上げるために、勇気を出して発した言葉でした。課題であった「夢を叶えたシーン」では、主人公の喜びをより情熱的に表現するため、数種類の隊形や手足の動きなどを工夫した踊りが何度も試されました。生徒は代わる代わるステージに上がり、改善点を確認しました。こうして全員で納得した動きが共有されていきました。
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④本時を振り返り、自分と結び付ける
生徒は自分達の踊りについて良い点と改善点を認識し、本時を振り返ります。「気持ちを込めて表現をするためには体全体で表現することや表情が大切」といった言葉からは、自分達にしか表現できない最高のダンスを全員で踊りたいという新たな思いが伝わってきました。「主人公の思いを深く理解して表現した」「この経験を今後に生かしたい」という意見からは、次の学びに向かおうとする一回り成長した生徒の姿が見られました。
報告者:研修協力員 織田