アクティブ・ラーニング授業実践事例
学校名:岡山県立倉敷天城中学校
教科等:3年英語科(平成29年10月)
単元名:発展学習 郷土岡山の魅力を伝えよう
修学旅行において、郷土岡山の魅力を外国の方に自在に伝える力を育成したい
粘り強く取り組む
多様な情報を収集する
知識・技能を活用する
実践の背景
- 実践校は併設型中高一貫教育校です。適性検査を経て入学する生徒は、学習意欲が高く、高等学校で指定を受けているSSHの牽引役として活躍しています。
- 授業を45分×7校時で行っています。学校独自の教科である「サイエンス」や総合的な学習の時間等を使い、3年次には、「課題研究発表会」を行い、全生徒が興味関心に応じて設定した課題を研究し、まとめた結果を教職員や外部の方の前で発表します。
- 研究主題を「言語リテラシーを活かして、思考力・判断力・表現力を育む授業づくり」とし、中高6年間を見通した教育課程、教育内容の改善を図っています。
授業改善のアプローチ
- 英語は、得意、不得意が分かれやすい教科なので、まずハードルを下げるために、ペア活動を取り入れ、生徒が英語を使う時間をなるべく多く確保したいと考えています。ただ、その時に、英会話でよく使う表現などのアイテムを知らなければ、英語を使った表現ができないので、可能な限り毎時間の冒頭に帯活動としてのSPEED INPUT(英語で話し、聞くことを短時間に繰り返し練習すること)を行っています。
- 3年生では授業時間以外の宿題として、あるテーマについて自分の思いを書いたり、調べた事などを書く「エッセイノート」に取り組んでいます。今回は、授業中に準備・発表を行うため、即興性を大切にしながら、自らの言葉で郷土岡山のことを外国の方に直接発信できるような取組の流れを設定しました。本授業後、修学旅行当日までに各自で「エッセイノート」を使用し、どのような会話が想定できるか考えていくようにしたいと考えます。
- 「エッセイノート」は、通常は生徒による相互評価を行います。その際の支援として、綴りや時制、語順などの文法事項を他の生徒が分かり易くチェックしあえるようにCorrection Codeを配付しています。生徒はCorrection Codeに則り相互チェックを行います。さらにノートは、ALTと協働して間違いがないか、授業者が確認しています。
- 1年の総合的な学習の時間では、郷土岡山についてグループで調べ学習等を行い発表をしています。しかし、郷土であっても、身近でないことについては、知らないことがまだまだたくさんあります。この単元を通して、再度郷土岡山の魅力について考え、良さを再確認し、どのようなことを、どう伝えるかを考えることを通して、学校で重点的に育成を目指している資質・能力である「情報編集力」の育成を図りたいと考えています。
- 学校独自の教科等である「グローバル」第3章「説明」、「サイエンス」、「校内弁論大会」などで習得したプレゼンテーションの技能を生かし、ジェスチャー、ポスチャー(姿勢)、アイコンタクト、ボイス(声量)等に気をつけながら、学校で重点的に育成を目指している資質・能力である「コミュニケーション能力」の育成も図りたいと考えています。
単元づくりのポイント
目標
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クラスメートとの練習やかかわりを通して発表文や発表技能をより向上させ、直接外国の方とコミュニケーションをとる場面でも、ジェスチャー、ボスチャー、アイコンタクト等に気をつけながら、積極的にコミュニケーションをとることができる。
【外国語コミュニケーションへの関心・意欲・態度】 - 班員と協力しながら、郷土岡山の良さを再確認し、その魅力を修学旅行で直接外国の方に伝えることができるように英文の素案を準備し、コミュニケーションをとることができる。
【外国語表現の能力】 - 直接外国の方とコミュニケーションをとる中で、話の内容から相手の意向を理解することができる。
【外国語理解の能力】
展開
発展学習 郷土岡山の魅力をフィールドワークで伝えたい(全4時間)
①郷土ゆかりのオリンピック選手を英語で説明・発表する。
②郷土岡山の魅力を英語で伝える準備・練習をする。(本時)
家庭学習でエッセイノートを利用し自分で伝えたい内容を考える。
③フィールドワーク(修学旅行)
④フィールドワークでの取り組んだ内容をクラスで発表する。
「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善
本時のねらい
- クラスメートとの練習やかかわりを通して発表文や発表技能をより向上させるように、ジェスチャー、ポスチャー、アイコンタクト等に気をつけながら、積極的にコミュニケーションをとることができる。
【外国語コミュニケーションへの関心・意欲・態度】 - 班員と協力しながら、郷土岡山の良さを再確認し、その魅力を修学旅行で直接外国の方に伝えることができるように英文の素案を準備することができる。
【外国語表現の能力】
授業場面より
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①導入、帯活動(毎時間の活動)
休憩時間から、英語の歌がBGMとして流れており、冒頭挨拶の後に、アカペラでみんなで英語の歌を歌うことから授業がスタートしました。これは、英語へ親しみを持ち、苦手意識を少なくするための工夫として授業者が日常的に行っている取組です。
その後、現在学習をしている文法事項の習得を目指す毎時間継続した帯活動に入ります。語学の習得には継続が大切という思いから、短時間で指定された会話を読み合うこと活動をSPEED INPUTとして行っています。今回は「後置修飾」を意識した英文をもとに、ペアで会話します。この活動を通して、会話を楽しむことや、耳や口が自然に英語に慣れることを目指しています。 -
②本時のめあての理解と英文作り
前単元で外国のオリンピック選手について学習したことを受け、前時は郷土ゆかりのオリンピック選手について調べ、発表し合いました。本時は、その話をさらに広げ、「2週間後に迫った修学旅行で郷土岡山の素晴らしさや魅力について宣伝してこよう。」というテーマが設定されました。本時は、練習として、グループごとに指定されたテーマ(後楽園、桃太郎、フルーツなど)について、実際にどう説明すればよいかを考えます。なお、本時に示したテーマは、1年次の総合的な学習の時間で取り組んだ「岡山調べ」で生徒自身が調べたテーマを活用しています。
生徒は、「どのような内容」を伝えるのか、さらに、その内容を「どのような英文の構成」で伝えるのかを考えます。どういった構成や内容にすれば岡山の魅力がより伝わるか、学校が重点的に育成を目指す資質・能力である「情報編集力」がまさに問われています。
生徒はグループ内でどのようなことを話せばいいかを相談しながら、各自で英文の会話の案を作成していきました。 -
③班内での発表練習
「班員が個々で考えた英文を、班内で発表順を決め、相互に1分間で伝え合います。
生徒は、直前に書いた紙を読みながら伝えるのではなく、ジェスチャー等を織り交ぜ、会話をするように伝えていました。これは、教師が日頃から、「会話(コミュニケーション)は本や紙を見てするものではなく、ジェスチャーやポスチャー、アイコンタクトが大切だ」と伝えている事が大きく影響しています。一方、聞く側も、聞きながら内容をメモするのではなく、時折質問をするなどして会話を楽しみます。まさに、コミュニケーション能力の育成に寄与していると言えます。
1人の発表が終わるごとに、約30秒間のアドバイスタイムが設けられます。相互にアドバイスを行いながら、英文の内容や会話の流れを修正します。
この「班内での発表練習」で他の生徒の発表を聞くことが、英語を苦手としている生徒にとっても、次の発表におけるモデルとなり、自信を持って発表することにつながっています。 -
④別の班で発表練習をして振り返る
班のメンバーを入れ替え、再度発表します。異なるテーマについて、お互いに初めて伝えたり聞いたりするので、先ほどとは違う緊張がありますが、伝える側も、聞く側も一度発表した内容なので英語を苦手とする生徒も自信を持って進めていきます。また、30秒のアドバイスも、「表現が細切れで内容が伝わりにくい。」「声が小さくて、相手に伝わりにくい。」など、より明確に相手に伝えることができるよう会話の方法を意識したものになります。
授業後の振り返りでは、「修学旅行では、ジャスチャーなどを入れて相手と会話を楽しみたい」「準備した説明の文から入るのではなく、質問から入った方が親しみやすいので、そういった工夫をしたい。」など、複数のメンバーとの会話での気付きを発表していました。また、「いきなり辞書で調べた難しい単語を使うより、言い換えて説明した表現の方が伝わりやすいと思い、平易な文を目指したが、最近学習した関係代名詞を上手に使う人の説明を聞き、自分の発表で、まだ工夫できていない点に気づいた、もっと修正したい。」など、この授業を通して既習の知識を活用してよりよい表現になるよう深く考え、学ぶ姿が見られました。
報告者:研修協力員 山田