アクティブ・ラーニング授業実践事例
学校名:東村山市立青葉小学校
教科等:2年算数科(平成29年9月)
単元名:かけ算
数量の関係に着目し、乗法の計算に関して成り立つ性質を見いだす力を育みたい
見通しを持つ
互いの考えを比較する
知識・技能を習得する
実践の背景
- 実践校は、目指す学校像を「夢をはぐくみ、子供が主役の楽しい学校」、「保護者、地域の方々と協力し信託に応える学校」と設定し、子供たちが夢の実現へ向けての学習に励み、学校での生活を楽しみ、自分の成長を実感できるような教育活動を展開している学校です。
- 「主体的・対話的で深い学びの実現」に向けて、校内研修に実現の鍵があると考え、組織的・継続的に研修の改善を通して、授業力の向上を図っている学校です。
- 授業研究会の協議会に工夫を凝らし、グループ、全体での話合いの活性化はもちろん、質的にも深い議論を行うことを目指している学校です。
授業改善のアプローチ
- 導入の場面の工夫
導入で、自分自身で「1つ分のまとまり」を作りだしていけるように、ホワイトボードとマグネットを使いながら、「1つ分の大きさ」が捉えづらい場面を設定しました。 - 自力解決で操作化できる工夫
自力解決で、一人に1枚、16個のマグネットの付いたホワイトボードを用意しました。これにより、児童が、マグネットを操作しながら「16」という数をまとまりで考えて、式に表せるようにしました。 - 考えを比較できる場面を設定する
児童の考えを黒板に掲示し考えを比べることで、一つ分のまとまりが同じ数ずつ増えていく場合があることに気付けるようにしました。そして、かけ算の意味について知ることにつなげていきました。 - 習ったことを使って考える
終末で、「一つ分」が「幾つ分」あるかについて、絵や図をもとに考えていく場を設定し、児童が実際に習ったことを使うことで、確実に習得できるようにしました。
単元づくりのポイント
目標
- 乗法のよさに気付き、乗法を用いようとしている。また、進んで九九を構成しようとしている。
【関心・意欲・態度】 - 乗法が用いられる場面を絵や図などを用いて考え、式に表している。また、5、2、3、4の段の九九の構成の仕方を考えている。
【数学的な考え方】 - 乗法が用いられる場面を式に表したり、式を読み取ったりすることができる。
- 5、2、3、4の段の九九を確実に唱えることができる。
【技能】 - 乗法の意味や乗法は累加で答えを求めることができることを理解している。
- 式に表したり、式を読み取ったりすることを通して、乗法が用いられる場面の数量の関係について理解している。
【知識・理解】
展開
- 1・2時
- 乗法の意味、乗法の式について理解する。【本時は第1時】
- 3時
- 乗法の意味の理解を深める。
- 4時
- 乗法の答えの求め方を理解する。
- 5時
- 身のまわりのものを乗法の式で表す。
- 6時
- 5の段の九九の構成をする。
- 7・8時
- 5の段の九九に習熟する。
- 9時
- 2の段の九九を構成をする。
- 10・11時
- 2の段の九九に習熟する。
- 12時
- 3の段の九九を構成をする。
- 13・14時
- 3の段の九九に習熟する。
- 15時
- 4の段の九九を構成をする。
- 16・17時
- 4の段の九九に習熟する。
- 18時
- 乗法の式に合う作問をする。
- 19時
- 九九表のしくみと性質を見いだす。
- 20時
- 基本的な学習内容の理解を確認し、定着を図る。
「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善
本時のねらい
- 同じ数ずつのまとまりを意識し、それがいくつあるかを考える。
- 1つ分の数×幾つ分=(全部の数)という乗法の意味、乗法の式について理解する。
授業場面より
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①まとまっていれば分かりやすいのにな
①問題を提示し、解決について見通しを持つ場面です。教師はばらばらになっている16個のマグネットを示し、合計はいくつかを児童に聞きました。「マグネットが並んでいれば数えられる」「いくつかにまとまっていればすぐ分かるのに」と児童は習ったことを思い出しながら発言していきます。教師はそれを基に、具体物をまとめて数える既習を振り返りながら、「まとまりをつくって、しきにしてみよう」と本時のめあてを提示しました。これにより児童は、16という数が幾つかのまとまりによって構成されているいう既習事項を活用しながら、具体物を操作して式をつくっていきました。
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②どんなまとまりでしきにあらわせるかな
個人で考える場面です。教師は一人一人が操作しながら式をつくっていけるよう一人に一枚のホワイトボード、マグネット、式を書くワークシートを用意しました。「習ったことを使って考えているね」、「そういう考えもできるんだね」と言葉を掛け、児童の考えを称賛していきます。これにより児童はマグネットを操作しながら①16を10のまとまりをつくって考えたり②③自分で適当な大きさのまとまりをつくって整理したりしながら式に表していくことができました。
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③同じ数ずつ足していくときは「かけ算」で表すことができるんだ
全体で検討する場面です。①教師は、児童が二つの考えを比べられるよう、「一つのまとまりが同じ数同士でないものを足している」と「一つのまとまりが同じ数同士を足している」考えを黒板に提示しました。児童は、それを見ながら「あっ。同じ数ずつ足している」と気付きます。②教師は2のまとまりが同じ数ずつ増えていく考えを例に出し、③一つ分の大きさが同じ数を何回も加えていく場合、一つ分が幾つ分としてかけ算という式で表すことができることを示しました。④そのことを知った児童は、練習問題でかけ算の式にできる場合を考えていくことができました。
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④4のまとまりから2のまとまりに一つうつせば全部3のまとまりになるよ
①終末で、一つ分のまとまりが違う数同士をかけ算の式にできるかを考える場面です。②かけ算の式を用いる場合について理解したB児は、解決方法が見いだせないA児にホワイトボードを使い、「4のまとまりから2のまとまりに一つうつすと全部、3のまとまりになるよ。そうしたら一つ分の大きさが同じになってかけ算の式で表すことができるよ」と説明を試みます。「あっ。そういうことか。」とつぶやくA児。その後、A児は「Bくんの説明で、まとまりがばらばらでも、全部のまとまりを同じ数にそろえられるとかけ算の式で表せることが分かった。今日は新しいことが知れてうれしかった。」と感想を述べていました。この新しいことを学べた喜びが次時以降の学ぶ意欲に繋がっていきます。
報告者:研修協力員 佐藤