アクティブ・ラーニング授業実践事例

学校名:鹿児島市立伊敷中学校
教科等:2年数学科(平成28年9月)
単元名:図形の性質の調べ方

事象を論理的に考察する力を育成したい

  • 見通しを持つ
  • 協働して課題解決する
  • 知識・技能を活用する

実践の背景

  • 実践校は研究校としての使命を担い、時代の要請に応じた研究・実践に取り組み、その成果を毎年多くの学校へ公開しています。
  • 問題解決的な学習プロセスにおいて、深い理解に至った生徒の姿を想定したり、そこに至るまでの生徒の思考の過程を「気付き」「納得」「意志」という3つのキーワードに焦点化し、具体的な生徒の姿で予想したりすることによって、各教科で身に付けさせたい資質・能力の育成を目指しています。

授業改善のアプローチ

「論理的に考察する力」を資質・能力の一つに設定し、その育成を目指しました。本実践では、演繹的な推論の必要性や意味を理解し、それを用いて図形の性質を論理的に考察する姿を深い理解に至った生徒の姿と考えました。小学校で学んだ推論の学習を踏まえ、演繹的な推論の必要性に「気付き」、三角形の内角の和が180°である理由に「納得」し、演繹的な推論を活用しようという「意志」が生まれる姿を具体的に予想することによって、生徒の学びに寄り添った授業を実現しようとしました。

単元づくりのポイント

目標

  • 図形の基本性質を、論理的に筋道を立てた推論を行って調べようとする。
    【関心・意欲・態度】
  • 図形の基本性質や既知の事柄を根拠として、新たな性質を見出したり、図形の基本性質を証明したりすることができる。
    【数学的な見方や考え方】
  • 図形の基本性質を利用し、角の大きさを求めたり、記号や式を用いて表したりすることができる。
    【技能】
  • 図形の用語の意味や性質、証明の進め方を理解することができる。
    【知識・理解】

展開

図形の性質の調べ方(全15時間)

平行線と角(3時間)
  • 対頂角、同位角、錯角の意味や性質を理解する。
  • 平行線と錯角の関係を、対頂角が等しいことと平行線と同位角の関係を根拠に導く。
多角形の角(3時間)
  • 三角形の内角や外角に関する性質を、平行線の性質などを用いて論理的に確かめる。(本時)
  • 多角形の内角や外角の和を、三角形の角の性質などをもとに求める。
合同な図形(2時間)
  • 合同な図形の性質を理解する。
三角形の合同条件(4時間)
  • 2つの三角形が合同になるための条件を考える。
  • 三角形の合同条件を用いて、2つの三角形が合同であるかどうか調べる。
図形の性質の確かめ方(3時間)
  • 図形の性質を証明する手順を理解し、図形の証明をする。

「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善

本時のねらい

三角形の内角の和が180°であることを、対頂角や平行線の同位角・錯角の性質を根拠に説明することができる。

授業場面より

  • ①課題解決の必要感を持つ

    課題解決の必要感を持つ画像

    学習の見通しを持つ場面です。教師はICTを活用し、多種多様な三角形を示しました。生徒は「すべての三角形の内角の和が180°である」ことを3つの角を切りとって並べる操作や実験では確かめることができないことを実感し、根拠を基に筋道を立てて説明する必要感を持つことができました。

  • ②グループで課題を考える

    グループで課題を考える画像

    グループで学習課題を考える場面です。教師は既習事項を活用して説明を考えるように促しました。生徒はグループでホワイトボードを介し、思考を可視化しながら考えました。補助線を書き加えることで、平行線と錯角の関係と関連付けて説明ができることに気付きました。

  • ③全体で課題を解決する

    全体で課題を解決する画像

    グループで考えた説明を紹介し、全体で課題を解決している場面です。発表者は電子黒板を活用し、グループで話し合った時に利用したホワイトボードを示しながら説明します。グループで試行錯誤した過程を、既習の用語や記号を用いて伝えることで、自分の考えを整理することにつながりました。

  • ④学習を振り返る

    学習を振り返る画像

    授業の振り返りをしている場面です。教師は学習の内容に関することと、学習を通して自覚した自らの変容に関することの二つの視点からの振り返りを促しました。生徒は、既知の事柄に帰着して図形の性質を説明したり、話し合いによって理解が深まったりしたことを自覚することができました。

報告者:研修協力員  窪