アクティブ・ラーニング授業実践事例
学校名:由利本荘市立西目小学校
教科等:3年総合的な学習の時間(平成29年6月)
単元名:西目のすてき みつけたよ! ~西目のおいしさ 大集合!~
ふるさとに学び、主体的・対話的に問いを発見・解決できる子供の育成を目指して
振り返って次へつなげる
互いの考えを比較する
思考して問い続ける
実践の背景
- 実践校は、学校教育目標を「ふるさとに学び、自分の生き方を真剣に考える子どもの育成」としてふるさと西目に学び、西目らしさの薫る体験的な学習活動や問題解決的な学習活動を重視し、研究主題は「学びの自立を目指して」としています。また、コミュニティ・スクールとして、地域とともに学校づくりを進めています。
- 開発実践フィールド校として、全職員でアクティブ・ラーニングの視点からの授業改善に取り組む過程を、県教育委員会・市教育委員会・県総合教育センターと連携し、推進地域に公開をしながら進めています。
- 子供自身が課題を発見し、解決し、発信していく単元構想の中で、どのように事象とかかわり、他者とかかわり、最終的に子供自身が自己の高まりとして手応えを得るのか、継続した見取りと教師の出番の在り方を問いながら、子供の学び続ける意欲が醸成されることを「学びの自立」と捉え研究を推進しています。
授業改善のアプローチ
- 追求テーマを調べる際には、問題解決に必要な視点をもって情報を収集していきます。インタビュー活動や、見学活動、体験活動を取り入れて、いろいろな方に尋ねたり、地域の方と関わったりしながら学習を進めていきます。調べる対象の「地域の特産品」を通して、地域の方とつながることで、自分も西目地域の一員としてふるさと西目を愛する心を育んでいけるようにしたいと考え、単元を構想しました。
- グループ活動では、互いの考えの根拠を大切にしてを比較・検討したり、他のグループの意見を取り入れたりしながら、学習を進めていくことができるようにしていきます。その際、必要に応じて思考ツールを活用することで、互いの考えを可視化し、分類したり、関連付けたり、統合したりしていきます。また、子供たちが記述した思考ツールを学びの足跡として掲示し、子供たちが話し合った過程を振り返りながら学習を進めていくことができるようにします。そうすることで、考えがどのようにつながり、変容していったのか子供自身が捉えることができるようにしていきます。
- 学びを振り返る場面では、個人で書く活動を継続して取り入れます。その際、自分の活動だけでなく、「なるほど」と思った友達の考えのよさや「おや?なぜ?」と思った疑問、困ったこと、次への意欲など、個人の学びの様相に応じて振り返ることができるようにしていきます。学びを振り返り、積み重ねていくことで、単元を通して自分の考えがどのように変容していったか、どのように深まったか、子供自身が自覚できる学びを大切にして単元を構想しました。
単元づくりのポイント
目標
- 自分の住む西目のよいところを見つけ、意欲的に人と関わったり、解決したり、表現したりしようとする。
(学びに向かうたくましさ) - 見つけた西目のよいところを他地域の人に伝えるために、自分で取り組むべき課題を見い出すことができる。
(課題設定の力) - 課題の解決のために、どのような問題があるかを見通し、計画を立てて解決することができる。
(問題解決の力) - 活動の中から伝えたい情報を選んで、工夫してまとめたり、伝えたりすることができる。
(表現する力) - 西目のよいところを調べる活動を通して、地域の特産品や地域の人のふるさとへの思いを理解できる。
(知識・理解)
展開
- 1 西目の特産品は何かな(9時間)
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- 西目の特産品について、もっている知識や疑問を出し合い、学習計画を立てる。
- 道の駅にしめを見学し、売られている物(何を、誰が、どんな)について調べる。
- 疑問について、店員やお客さんにインタビューをする。
- 見学して分かったことを確認し、新たに生まれた疑問から追究課題を決める。
- 特産品について調べた情報を分類整理してまとめ、他のグループの人に伝えたり、互いに質問したり、質問に答えたりする。
- 2 伝えよう 西目のおいしさ大集合!(9時間)
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- 自分たちが調べた西目のおいしさを伝えるためによりよい方法を考える。(本時10/18)
- コロニーやニューバイオファーム等の調査見学活動を行い、生産者の思いや願いなど分かったことをまとめる。
- 伝えたいことが伝わる内容、表現になっているか互いに吟味する。
- 学びを振り返り、西目のすてきについて発見したことやふるさと西目についての思いについて書きまとめる。
「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善
本時のねらい
どんな方法で西目のおいしさ(子どもが見つけたおすすめポイント)を伝えればよいか考えを出し合い、伝える方法を決めて、取り組み始めることができる。
授業場面より
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①本時の学習の見通しを持つ
本時の学習の見通しを持つ場面です。教師は、児童のこれまで見つけたふるさとのよさを発信したいという思いを大切にし、児童から出てきた言葉を生かして「どんな伝え方で西目のおいしさを伝えたらよいのかな?」という本時の課題を共有していきます。このような教師の手立てが、自分たちが見つけてきた西目のおいしさのおすすめポイントをどんな方法で伝えればよいか互いの考えを出し合い、伝える方法を決めて、取り組んでいこうとする主体的な児童の姿につながりました。
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②グループで伝える方法について話し合う
グループで伝える方法について話し合う場面です。教師は、自分の考えを明確にしてグループの話合いに参加できるよう、伝え方(ピンク)と伝え方を選択した理由(黄色)を記入した付箋紙を基に話し合うように促していきます。また、児童が考えを出し合う際、意見を集約、統合しやすいように思考ツールを準備し、児童が自由に使うことができるようにしておきます。そして、各々のグループで考えの理由付けを大切にした話合いが行われているか観察し、一歩踏み込んで問い返すなどしてお互いの考えの理解が得られるようにファシリテートします。このような教師の支援が、ピラミッドチャートを用いて互いの考えを可視化、操作化しながら、伝え方でどの方法がよいか、伝える方法と理由をはっきりさせながら話し合う児童の姿につながりました。
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③グループで決めた伝え方を試してみる
話合いを通して考えたことを踏まえ、グループで決めた伝え方を試してみる場面です。教師は、他のグループの考えも比べて取り入れることができるように、それぞれのグループの伝え方を、同様の観点(特産品、伝える方法、伝える場所)で一覧表に記入するように促していきます。また、グループに応じて、選択した方法がよいと思う理由について問い返しながら本当にその伝え方でよいのか試行錯誤できる学びを児童と一緒につくっていきます。このような教師の支援が、話合いを通して考えたことを実際に試し、他グループのアイデアも参考にして試行錯誤しながら、西目のおいしさをよりよい方法で伝えていこうとする児童の姿につながりました。
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④学びを振り返る
学びを振り返る場面です。教師は、話合いやグループで決めた伝え方を試してみて感じたこと、他のグループから学んだことについて、互いの考えが交流できるようにファシリテートしていきます。それが、「みんなで話し合ったり、試したりすることで、伝える方法のよさがはっきりしてきた。」「他のグループから、西目のおいしさを伝える方法には、旗やポスター、パンフレット等たくさんの方法があることを学んだ。これからさらに、自分たちのグループに合う方法を考えて取り組んでいきたい。」など、伝え方の工夫のよさについて考えたり、他のグループから学んだことを活用したりしながら、より適切な方法で、自分たちのおすすめの西目のおいしさを伝えていこうと学び合う児童の姿につながりました。
報告者:研修協力員 稲岡