教育相談基幹研修(研修参加者の声)

令和6年6月5日(水曜日)から令和6年6月7日(金曜日)までの3日間の日程で「教育相談基幹研修」を開催しました 。
研修参加者にインタビューし、感想を伺いました。


私は指導主事の立場におり、不登校児童等の事例を多く抱えている学校への支援をしています。学校とのケース会議において、現状報告だけで支援策を考えるまで行きつかなかったり、現状分析が不十分なのに経験値等に基づいていきなり支援策が決まってしまったりすることが多くありました。こうした状況を解決したいという思いで、この研修に臨みました。

実際に研修に参加してみて、学校に納得してもらえるような支援の糸口が見つかりました。たとえば、1日目の第2講「教育相談の基本的な考え方」では、生徒指導提要に記載のあるBPSモデル(Bio-Psycho-Social Model)(注1)という児童生徒理解の手法について、また、2日目の第4講「教育相談の事例研究」では、インシデントプロセス法(注2)という事例研究の手法について、それぞれ意義や具体的な実施手順を知り、グループでの実践を通じて体験的に学ぶことができました。“引き出し”を多く持っておくことで、学校の状況に応じて、きめ細かい支援ができると思いました。

また、この研修でよかったことは、勤務先に帰ってから自分が何をしたいか明確にできたことです。1日の最初のイントロダクションでは、自ら問いを立て、参加者同士の対話を行います。その後の講義・演習では、自分で考え、お互いに共有する時間が多くあり、最後のリフレクションでは、研修で学んだことを振り返り、省察する時間が確保されています。自ら問いを立て、学んだことを自分自身に “落とし込む”ところまでが、一つの研修日程の中に組み込まれていると感じました。今回学んだことを活用していきたいです。

注1:児童生徒の課題を、生物学的要因、心理学的要因、社会的要因の三つの観点から検討する手法。

注2:事例提供者は、全容を話すのではなく、発端となる小さな出来事だけを提示し、参加者は、質問することによって、その出来事の背景や原因となる情報を収集し、それに基づいて問題を分析し、対策を考える手法。