NITSニュース第134号 令和2年7月17日

学校の生徒指導力を高めるために

関西外国語大学 教授 新井肇

個業場面が多い学校において、教職員が知恵を集め協力して児童生徒の問題行動への対応や危機への支援に取り組むためには、何が必要なのでしょうか。 個人に留まらずに教職員集団として日々の実践を振り返り、理論に基づいて課題解決策を追求していく姿勢を保持することが、重要であると思われます。 職員室での何気ない会話から、校内研修やケース会議での意見交換を通して、教職員間のコミュニケーションを活性化することによって、組織的な生徒指導を機能させる「学校の生徒指導力」が高まっていくのではないでしょうか。

しかし、学校内外における「連携・協働」の重要性が20年来言われ続けていることからも明らかなように、教職員集団として省察するシステムを構築することは、それほど簡単なことではありません。 学校の生徒指導力の向上を阻む障壁について、P.センゲの『学習する組織論』を手がかりに考えてみたいと思います。

上記の視点から、自分たちの学校の状況に無意識に影響を及ぼしている問題を見つけ出し、自分たちの実践を批判的に省察し、自分たちの行動を変革していくことが、学校の生徒指導力を高めるために求められるのではないでしょうか。

【参考文献】