アクティブ・ラーニング授業実践事例

学校名:彦根市立中央中学校
教科等:1年英語(平成29年1月)
単元名:Unit10 あこがれのボストン

相手に伝えたいことを粘り強く表現する力を育成したい

  • 粘り強く取り組む粘り強く取り組む
  • 思考を表現に置き換える思考を表現に置き換える
  • 知識・技能を活用する知識・技能を活用する

実践の背景

  • 学校教育目標「心豊かでたくましく生きる生徒の育成」に向け、目指す生徒像を「HEAD:学び考える HEART:相手を思いやる HEALTH:心身を鍛える」と整理し、その実現に向けて全教職員で取り組んでいます。
  • 少人数学習、日本語指導などの個に応じたきめ細かな学習指導、補充的な内容を扱う課外の学習指導の実施等により、基礎学力の保障に努めています。

授業改善のアプローチ

  • 教師は、「can」を使って、各自が「できること」をクイズを通して伝える場面を設けています。対面形式でクイズを出し合うことで、全員が活動を通して自然と英語で会話を行い、聴き合い学び合う授業となることを目指します。さらに、この活動を通して、友だちのことをよく知ること、そして、自分のできることを知ってもらうことで自尊感情を高めることに繋げていきたいと考えています。
  • 「聞くこと:繰り返しや言い換えを交えて、ゆっくりはっきりと話してもらえれば、身近な暮らしに関わる短い話を理解することができる」「話すこと:基本的な語や表現(4~5語程度の文)を用いて、日常生活に必要な簡単な情報や話題について尋ねたり、答えたりすることができる」「読むこと:身近な暮らしにかかわる事柄を表す簡単な文や対話文を、それに関する絵や写真を参考にしながら読んで理解することができる」「書くこと:自分のことや身近な暮らしにかかわる事柄について、辞書や単語リストを参照しながら、2~5語の文を2~3文用いて書くことができる」を学習到達目標としています。

単元づくりのポイント

目標

  • できることやできないことについて述べることができる。
    【外国語表現の能力】【言語や文化についての知識・理解】
  • できるかどうかをたずねたり、答えたりすることができる。
    【コミュニケーションへの関心・意欲・態度】【外国語理解の能力】
  • いつできるかをたずねたり、答えたりすることができる。
    【コミュニケーションへの関心・意欲・態度】【言語や文化についての知識・理解】

展開

  • P1 できることやできないことについて述べることができる
    (本時1/2)【2時間】
  • P2 できるかどうかをたずねたり、答えたりすることができる
    【2時間】
  • P3 いつできるかをたずねたり、答えたりすることができる
    【2時間】
  • 彦根の紹介
    【1時間】

「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善

本時のねらい

  • できることやできないことについて述べることができる。
    【話す、聞く】

授業場面より

  • ①本時の学習課題を共有する

    本時の学習課題を共有する画像

    「Today's topic is what you can do.」教師は英語で授業を進めていきます。本時の目標はcanを使って、「『できること』や『できないこと』について述べることができる」です。
      教師は、実際の場面からcanを使った表現を確認しようと、教室内でできるけん玉に挑戦します。5回挑戦しましたが成功せず、「I cannot play with a kendama.」と伝えます。次に生徒が挑戦し、成功します。「You can play with a kendama.」と伝え、この繰り返しから生徒は「can~」が~できる、「cannnot」が~できない、という意味であることを理解していきます。
      生徒は、動作と共に説明を聞くことで、「can play with a kendama」というフレーズが「けん玉ができる」という意味だと理解していきます。「can」「cannot」を使ってどんな表現ができるのか関心が高まります。

  • ②ICTを使って既習事項の確認をしながら、表現する

    ICTを使って既習事項の確認をしながら、表現する画像

    実際に、「I can~,I cannot~」という表現を繰り返し話している場面です。
      教師は、小学校で使ったテキストをスクリーンに写しだし、既習事項から様々なシーンをcanを使って表現していくよう伝えます。
      生徒は、これまで学習した語句や表現、文法を使って、映し出されたイラストを見ながら「I can (cannnot) play the piano.」「I can (cannot) swim.」「I can (cannot) cook.」と表現していきます。合間に、教師から「Can you ~?」と質問され、「Yes.」「No.」と答えながら、会話の中で、できること、できないことを述べていきました。一輪車に乗った子供のイラストが映された時には、なかなか単語が出てこず、「自転車は『bicycle』だから、・・・」と懸命に思い出しながら表現しようとしていました。

  • ③書くことで自分を表現する

    書くことで自分を表現する画像

    「Who am I?」、クイズを作っている場面です。
      教師は、ワークシートに従って、自分自身について紹介文を作るよう伝えます。「I can~」「I cannot~」を使った文章を4つ作り、自分の紹介文を他者に読み上げてもらい、誰のことか考えるクイズです。自分のできること、できないことを英文で表現していきます。
      生徒は、単語のスペルがわからず、教科書の単語リストや辞書を使って確認したり、表現の仕方について教師に助言を求めたりしながら、作文に集中していきます。生徒たちは何を表現しようか、表現できるかをじっくり考えて英文を書いていきました。クイズ形式で自己紹介をするという活動を取り入れたことで、生徒は興味を持って英作文に取り組みました。自己紹介にはどのような内容を組み合わせるべきか考えながら、「I can~」「I cannot~」を使って自分のことを相手に伝えたいという思いが高まっていきます。

  • ④英語でのコミュニケーションを楽しむ

    英語でのコミュニケーションを楽しむ画像

    教師は、自己紹介文を記入したワークシートを回収し、無作為に生徒たちに配付します。
      生徒たちは、級友のワークシートを持ってクラス内で自由にペアを作り、誰のことを紹介した文章かクイズを出し合い、答え合います。ゲームにしたことで楽しみながら意欲的に活動できました。
      教師は活動の時間を十分に取り、正解したら、ワークシートを交換して次々にクイズを出し合うよう伝えました。そこで、生徒は自分なりの工夫をします。ヒントを求められた生徒は、級友を表現するために何を伝えるべきかを考え、自然と単語やジェスチャーを交え、表現していきます。また、上手く伝わらない時には何度も聞き返し、相互に確認しながら話し合う場面が生まれました。積極的に英語を用いてコミュニケーションを取り、自分の伝えたいことを既習の単語や表現を使って表現する姿や、しっかりと聞くことで相手の伝えたいことを理解しようとする生徒の姿が見えました。

報告者:研修協力員  木下