アクティブ・ラーニング授業実践事例
学校名:広島県立可部高等学校
教科等:2年コミュニケーション英語Ⅱ(平成28年11月)
単元名:Lesson 6 The Power of
身近な話題や道具で、より意欲的な表現活動へ
興味や関心を高める
共に考えを創り上げる
知識・技能を習得する
実践の背景
- 実践校は創立から100年を超える歴史を持つ伝統校であり、全校生徒約750名の全日制普通科の高等学校です。
- 地域社会における可部高等学校の使命として、「時代の変革を生き抜き、地域社会に貢献できる有為な人材の育成する」ことを掲げています。
- 育成を目指す資質・能力を「論理性」、「自律性」、「協働力」と定め、各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、教科等横断的な視点で授業改善に取り組んでいます。
授業改善のアプローチ
- 教科間の連携を強めるために、各学期に1回授業参観強化月間を定め、同教科だけではなく、他教科の授業を参観し、優れた実践を教職員間で共有するようにしています。
- 実践校の英語科では、外国語を通じて積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成のため、英語を用いてコミュニケーションを図る場の設定に着目しました。
- そして、本単元では、単元で学習した内容(色の効果に関する知識)を活用して、身近な先生のために部屋をデザインするという課題だと、より意欲的に自分の言葉で発表できるだろうと考え、単元の学習過程を構想しました。
単元づくりのポイント
目標
- 本単元の題材(色の効果や心理的効果)について関心を持ち、間違うことを恐れず、積極的に情報や考えを伝えることができる。
【コミュニケーションへの関心・意欲・態度】 - 本単元の題材で学習したこと(効果的な色の使い方)を活用してデザインした部屋について、英語でプレゼンテーションできる。
【外国語表現の能力】 - 読んだ内容について要点や概要を読み取り、質問に答えたり要約したりできる。
【外国語表現の能力】 - 本文中の新出単語や同格を表す接続詞that、使役動詞(make,let,have)、関係代名詞whoseの制限用法、propose/order+that+S+Vの知識を身に付ける。
【言語や文化についての知識・理解】
展開
全9時間
- 1
-
導入:oral introduction、listening 0.5時間
- 2
-
本文読解:新出語句の確認、本文の内容把握、reading comprehension、grammar & practice 7.5時間
- 3
-
表現活動 1時間(本時)
「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善
本時のねらい
- 本単元の題材(色の効果や心理的効果)について関心を持ち、間違うことを恐れず、積極的に情報や考えを伝える。【コミュニケーションへの関心・意欲・態度】
- 本単元の題材で学習したこと(効果的な色の使い方)を活用してデザインした部屋について、英語でプレゼンテーションできる。【外国語表現の能力】
授業場面より
-
①前時までの内容を確認しwarm up
・"I associate ○○先生 with 色 because,,"を使い、前時までの内容(色の効果)を活用し、ペアで対話しました。
・前時までと本時(身近な先生の部屋をデザイン)をつなぐ内容だったので、単なる英会話のwarm upにとどまらず、本時のグループ協議の礎となりました。
・また、上記の写真のように、事前に身近な先生について考えさせたり、身近な色紙で様々な色を掲示したりすることで、本時の学びに向かう気持ちづくりに貢献しました。 -
②情報収集し協議する
・教師は、教室の隅々に新たな情報(例えば、Mr.〇〇 can't get up early. So he needs ,,という先生の状況等)を貼付しました。
・生徒達は、それらの情報を暗記し、グループに戻ってその内容を他の班員に英語で伝えます。前時までに学習した色の効果を考えながら、本時の課題である「身近な先生の部屋のデザイン」をするために協議しました。
・前時までの内容(色の効果)と本時収集した情報(先生の状況等)を関連させ、根拠を示しながら英語で協議することができました。 -
③協議し発表準備をする
・場面2の協議を続け、左上の写真のように部屋のデザインをしていきました。
・教師は、身近な具体物(部屋や家具の絵、色紙等)を準備することで、これらが手助けとなり、生徒は既習の語句等を使い英語でコミュニケーションを図ることができました。
・発表内容の完成後は、右の写真のように、原稿を見ずに、よりよく伝わるよう気持ちを込めて発表できるように練習を重ねました。 -
④発表する
・グループ同士で、部屋のデザインについて英語でプレゼンテーションし、互いに意見を述べ合いました。
・場面3において原稿を見ないでできるよう発表の練習をしたので、アイコンタクトを意識しながら発表し、根拠を基にした自分達の考えを表現できました。
・最後は、右下の写真のように、個人に戻って本時で行った発話や表現等を振り返り、自分の学びを自覚化していきました。
報告者:研修協力員 鬼塚