アクティブ・ラーニング授業実践事例
学校名:福岡県立朝倉光陽高等学校
教科等:1年数学A(平成27年10月)
単元名:場合の数と確率
主体的・協働的に学ぶ姿勢の涵養
粘り強く取り組む
協働して課題解決する
知識・技能を習得する
実践の背景
- 実践校は、普通科と農業科を併設する1学年4クラスの高等学校です。
- 高等学校の学習内容の理解が進むように、義務教育段階の学び直しを位置付けることで、基礎学力の定着と共に、主体的・協働的に学びに向かう姿勢の涵養を目指しました。
授業改善のアプローチ
- 上記の生徒の状況から、研究テーマを「生活指導と基礎学力の定着を一体とする授業改善の研究」と定め、推進チームを中心に取り組みを進めました。(平成27年度)
- 取組の一つとして、「社会性と情動の学習」という社会性や気持ちの持ち方を具体的行動で体験的に学習する活動を授業冒頭に行いました。
- 推進チームは、アドバイザーの大学教授及び県指導主事の助言・支援のもと、授業改善をすすめ、次年度から学校全体で取り組むことができるように、職員研修会で共有していきました。
単元づくりのポイント
目標
- 実生活における体験と関わりの深い単元であり、楽しみながら主体的・協働的に解決し、新しい内容に興味関心を持ち、理解しようとする態度を養う。
【関心・意欲・態度】 - 具体的な事象を数学的に考察し、積の法則・順列及び組み合わせの意味について理解し、総数を正確に計算できるようになる。
【数学的な見方や考え方】 - 確率の意味や基本的な法則についての理解を深め、場合の数をもとに正確に求めることができる。
【数学的な技能】
展開
全25時間
- 1
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場合の数(13時間)
- 2
-
確率(12時間)
確率の意味、確率の計算、独立な試行、反復試行 等
まとめ(本時)
「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善
本時のねらい
確率のまとめをすることで、単元を俯瞰的に確認・理解するとともに、問題を作成し、解き合うことで、内容の理解を深め、その定着を図る。
授業場面より
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①「校内検定」練習問題で学びの手ごたえを得る
・授業の導入ではいわゆる「義務教育段階からの学び直し」から始まる「校内検定」練習問題に取り組みました。
・教師は、生徒の実態を鑑み、「校内検定」練習問題を10段階に設定のうえ作成し、生徒自身が取り組むレベルを選択できるようにしました。
・その結果、生徒は、基礎学力の定着や自身の習熟状況の理解がすすむだけでなく、問題を解けたという達成感を味わうことができました。このような学び直しの機会は、生徒の学びに向かう姿勢を育むことにつながり、本時の学習への意欲を高めることができました。 -
②全体で確率のまとめをする
・これまで学習してきた単元の内容をまとめる場面です。教師は、単元で学んだことをスライドで示しながらテンポよく進めていきました。
・生徒からは「排反事象の方が反復試行の確率より楽だった」等、従来の指導では聞かれないような単元を俯瞰し比較する発言もありました。本時に至るまでの学習の充実ぶりがうかがえました。 -
③問題を出し合い、解き合う
・各グループで、単元の内容に関する問題を作成し、他のグループと問題を交換し、解き合いました。
・生徒A「教科書では『2個のさいころを同時に投げるとき、さいころの目が4となる確率を求めよ』となっているから、さいころの数を増やそう」、生徒B「数を増やすのは難しすぎるから、1個ずつ2回投げるのはどう?」等、単元を振り返り、相手意識を持ちながら作成し、解き合うことで、単元の復習や内容の定着になると共に、良好な学習集団づくりにも寄与しました。
報告者:研修協力員 谷内