アクティブ・ラーニング授業実践事例

学校名:岐阜市立加納小学校
教科等:3年外国語活動(平成30年1月)
単元名:What's this これなあに?

英語に慣れ親しみ、コミュニケーションを行う目的、場面、状況に応じて伝え合う力を育みたい

  • 見通しを持つ見通しを持つ
  • 多様な情報を収集する多様な情報を収集する
  • 知識・技能を活用する知識・技能を活用する

実践の背景

  • 学校の教育目標を「美しい心で 考え やりぬく子」とし、願う児童の姿を「考える子ども(みがかれた知性)。思いやりのある子ども(豊かな情操)。やりぬく子ども(ねばり強い意志)。じょうぶな子ども(たくましい体)。」として、教育実践に努めています。
  • 研究主題を「実践力のある子どもの育成-主体的に思考・判断・表現して学びを深める子をめざして-」とし、確かな学力を付ける教科・領域の指導の充実、学力の向上を図る指導改善サイクルの確立、自ら学習を創り出そうとする学級集団・学習集団の育成などに、全校で研究体制や研究計画を整えて取り組んでいます。
  • 岐阜市では、平成16年度より市内の全小学校にて、1年生から英語教育を実施しています。平成29年度現在、中学年では「進んでコミュニケーションを楽しむ」ことをねらいとし、英語科として年間35時間の授業を実施しています。

授業改善のアプローチ

  • 前時までに学んだ表現や、ヒントに使えそうな表現を共有するとともに、どんな質問ができるかを確認して活動の見通しを持てるようにする。
  • 今までに触れてきた英語や学習してきたことを使って表現できるように、みんなで解決する場を大切にする。
  • 簡易型のいすや生活科バッグ、手掛かりとなる掲示物など、多様な形で対話が促進する学習環境を整える。

単元づくりのポイント

目標

  • クイズの答えとなるものを、その種類や色、形など特徴を適切な形容詞を使って表す技能を身に付ける。
    【知識・技能】
  • 解答者に分かりやすいヒントの順番を考えて伝える力を身に付ける。また、3つのヒントを聞いて答えを出したり、2つのヒントから分かった情報を整理し、正解するための必要な情報を出題者に質問して3つ目のヒントを得たりするなど、得た情報を整理する力を身に付ける。
    【思考力・判断力・表現力等】
  • 3つのヒントを出したりクイズに答えたりする活動を通して、解答者に分かりやすく伝えたり、正解を目指して積極的に英語を使って対話しようとする態度を養う。
    【学びに向かう力・人間性等】

展開

第1時:答えとなるものを表す種類や色、形などのヒントを聞きながら、クイズのやり方を理解し、どんなクイズができそうか見通しを持つことができる。

第2時:全体でヒントを聞いてクイズに答えたりヒントを考えたりする活動を通して、クイズの答えとなるものの種類や色、形などを表す言葉を使って、ヒントを組み立てることができる。

第3時:クイズを出し合って答える活動を通して、It's~.の表現を使って種類や色、形などを的確に英語で表しながらクイズを出したり、2つのヒントから必要な情報を質問して3つ目のヒントをもらい、答えたりすることができる。

第4時:学級みんなでクイズを出し合う活動を通して、様々なクイズのヒントに合わせてどんな情報が必要かを考えて出題者に質問し、クイズに答えることができる。(本時)

第5時:アメリカのシンシナティ市アーペンベック小学校のみんなに3ヒントクイズを出すことができる。

「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善

本時のねらい

学級みんなでクイズを出し合う活動を通して、様々なクイズのヒントに合わせてどんな情報が必要かを考えて出題者に質問し、クイズに答えることができる。

授業場面より

  • ①学習への見通しを持つ

    学習への見通しを持つ画像

    「It's a fruit.」「It's red.」と、はじめに出題者の児童が考えて2つのヒントを出します。それに対して「What shape is it?」と、ペアの解答者の児童は質問をすることで、「It's round.」と、3つ目のヒントを得て答えにたどり着きます。
      この導入では、子供たちはヒントを2つ聞くだけでなく、適切な質問をすることで更にヒントを得て答えに近づいていくという学習(3-2クイズ大会)への見通しを持ちます。
      ここには、種類や色、形を表す言葉とIt's~.という表現を使ってコミュニケーションを進めてきた前時までの学びを活かしていることがあげられます。

  • ②必要な情報を得る

    必要な情報を得る画像

    出題者:「It's a vegetable. It's long.」
      解答者:「What color is it?」
      出題者:「It's orange. What's this?」
      解答者:「It's a carrot.」
      出題者:「That's right! Here you are.」
      このように、出題に適した質問をし、自分に必要な情報を得て答えを導くことで、目的・場面・状況に応じたコミュニケーションを実現しています。
      教師は、子供たちが豊富に語彙を駆使できるように、種類や色、形を表す言葉を確かめられる掲示物を用意しています。また、このActivityを「役割を入れ替える」「相手を替えて繰り返し行う」ことなどを通して、定着を図っていきます。

  • ③学んだことを生かす

    学んだことを生かす画像

    「It's teacher.」「Hairstyle is short.」という、参観しているどの先生かを探すクイズに対して、「Boy or girl?」「Where is it?」などと、次々に質問します。
      このように、異なる状況のクイズであっても、学んだことを生かして適切な質問を出してヒントを得て答えを導いていきます。
      そこには、既習と同じ語彙を使って質問ができたり、新しい表現で質問ができるようなクイズを教師が設定することによって、このような学びの姿を生み出しています。

  • ④本時を振り返る

    本時を振り返る画像

    「今日ははじめて『What taste is it?』と質問することができました。たくさん正解してシールをもらえました。次はアーペンベック小学校のみんなも楽しめるようなクイズを考えたいです。」と、本時の学びを振り返りました。このように、子供たちは授業の終末でワークシートに自己の学びを書き込んでいきます。
      これは、教師が「どんな質問ができましたか。」と具体的に問い掛けていることによって、学びの手応えを感じとることができた姿であると言えます。

報告者:研修協力員  各務