アクティブ・ラーニング授業実践事例

学校名:岐阜大学教育学部附属小学校
教科等:1年国語科(平成29年9月)
単元名:うみのかくれんぼ

言語で正確に理解し、適切に表現する力を育てたい

  • 見通しを持つ見通しを持つ
  • 思考を表現に置き換える思考を表現に置き換える
  • 知識・技能を活用する知識・技能を活用する

実践の背景

  • 実践校は、創設以来「人間教育」を教育理念とし、理想の全人格教育を目指して、多様な子どもの関わりの中で育てています。
  • 学校の教育目標を「なかまのしあわせのために、よく考え、助け合い、つくりだす、心身ともに健康な子どもの育成」とし、「自分の頭で考える子ども(自主性)、あたたかい胸で助け合う子ども(社会性)、じょうぶな手足でつくりだす子ども(創造性)」を合い言葉にして、教育実践に努めています。
  • 学校の教育目標や前回研究の課題等を踏まえ、願う児童の姿を描き直し、新たな全校の研究主題の設定に向かう提案授業です。

授業改善のアプローチ

  • 習得した文章構成を活用・発揮できるように、自分でうみのいきものを選び、かくれんぼカードの制作する言語活動を取り入れた単元構成
  • 目標とそれに向かうポイントを明らかにし、見通しを持って取り組む主体的な学びを促す導入
  • 制作したかくれんぼカードを交流し、読みの視点をもとにしたペアでの相互評価
  • 仲間や教師の言葉と照らし合わせて、自己の学びを自覚し、手応えを実感する振り返り

単元づくりのポイント

目標

  • 言葉には、事物の内容を表す働きがあることに気付くことができる。
    【知識及び技能】
  • 事柄の順序を考えながら「何が」「どこに」「どのように隠れているのか」を読むことができる。
    【思考力・判断力・表現力等(読むこと)】
  • 隠れ方について説明した本や文章を選び、伝えたいという思いをもって読むことができる。
    【学びに向かう力、人間性等】

展開(全6時間)

第1, 2時

「うみのかくれんぼ」の題名や出てくる生き物から、水の中にいる生き物へ興味をもち、学習への見通しを持つことができる。

第3~5時

「うみのかくれんぼ」を読み、はまぐりやたこ、もくずしょいがどのように隠れているのかを読むことができる。

第6時

かくれんぼカードの製作やその交流を通して、「何が」「どこへ」「どのように隠れているのか」を読みの視点として、内容の大体を捉えることができる。(本時)

「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善

本時のねらい

かくれんぼカードの製作やその交流を通して、「何が」「どこに」「どのように隠れているのか」を読みの視点として、内容の大体を捉えることができる。

授業場面より

  • ①本時を見通す

    本時を見通す画像

    「うみのいきものの、かくれかたがよくわかる、かくれんぼカードをつくります」と、授業の冒頭で、これからの学習を確認します。そして、「『なにが』『どこに』『どのようにかくれているのか』をかいて、つくっていきます。」と、読みの視点を見直します。
    このようにして、子供たちは学習活動に対して関心を高め、見通しを持って取り組んでいきます。
    ここには、掲示物などで既習を視覚的に示して、いつでも確かめられる学習環境があります。

  • ②読みの視点を意識して読む

    読みの視点を意識して読む画像

    「ヒョウモンダコは、かいそうのちかくにかくれています。ヒョウモンダコは、うみのなかのかいそうがいっぱいあるところにかくれます。」と書き、ここで、掲示物などから読みの視点を見直します。そして、「タコのなかまは、そのそばにいくと、あわせてからだのいろをかえます。」と付け加えます。
    このように、読みの視点を意識して繰り返し読むことで、生き物の隠れ方を捉えていきます。

  • ③文章構成について、相互に評価する

    文章構成について、相互に評価する画像

    「ここは『なにが』で、ここのところは『どこに』で、ここが『どのように』をかいたよ。」という説明に対して、「ちょっとまって。うーん・・・わかった。」と言って、ペアがワークシートに〇印を付けて評価を書き込みます。
    このように、ペアの文章を読みの視点から評価し合い、さらに学級全体で共有することで、文章構成についての理解が深まり、内容の大体を捉えることにつながります。
    そこには、単元を通して読みの視点を大切に指導してきた積み重ねがあることと、書き込むことのできるワークシートを用意し、評価の仕方を視覚的に分かりやすくした工夫があります。

  • ④本時を振り返る

    本時を振り返る画像

    「もくずしょいが、どこに、どのようにかくれているのかが、よくわかるようになりました。じぶんのかいたことが、あいてにつたわってよかったです。」「『なにが』『どこに』『どのように』にきをつけてよむと、かくれかたがよくわかりました。」と、仲間が話したことや教師が確認したことを、自分の読みと照らし合わせて聞いて振り返りました。
    このように、内容を整理して振り返ることによって、学んだ手応えを実感すると共に、次の学びに向かう力へとつなげていきます。

報告者:研修協力員  各務