理事長あいさつ

独立行政法人教職員支援機構理事長
和嶋延寿

皆様、こんにちは。
独立行政法人教職員支援機構理事長の和嶋延寿です。

私たち教職員支援機構(NITS:National Institute for School Teachers and Staff Development)は、「変化を前向きに受け止め、探究心を持ちつつ自律的に学ぶ教職員」の姿の実現を目指し、教職員に対する総合的支援を行う全国拠点として、研修の実施や研修の在り方の提案、研修担当者間で学び合う環境の醸成、教職員の資質に関する調査研究等を通じて、全国における主体的・対話的で深い教職員の学びの実現や、教職員の資質の向上に寄与することを使命としています。

現在、全国の学校現場における子供たちの学びには、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を通じて主体的・対話的で深い学びの実現が求められています。そのような中、教職員は一人一人の子供を主語にして、その学びを最大限に引き出し、主体的な学びを支援する伴走者としての役割を模索しながら、日々子供たちの学びの転換に向けて努力と工夫を続けています。
また、教師の学びの姿は子供たちの学びの相似形であり、子供たちの学びの転換とともに、教師自身の学び(研修観)の転換を図ることの必要性が指摘されています。

私たちは教職員に対する総合的な支援を行う組織として、現在この「研修観の転換」に向けて取組みを進めています。

その一つが、探究型研修です。この中では、参加する教職員が自ら問いを立て、実践を積み上げ、振り返り、次へつなげていくという探究的な学びの中で、多くの気付きが得られるのではないかと考えています。その上でご自身が気付いたことや感じたことを生かして、子供たちの学びのアップデートにもつなげられるのではと期待しているところです。
また、私たちが「研修観の転換」に向けて試行錯誤を繰り返す中で見えてきた「研修で目指す大事なこと」としては、

の二点が挙げられます。

これまで行ってきた知識や技能の確実な伝達も大切にしながら、さらに対話や省察を通じた学びへと転換することによって気付きがより深まり、参加者の力量の向上にもつながるものと考えています。

私たちは探究型研修などの新たな研修に取り組むだけでなく、全国の教職員が学び続ける基盤作りにも取り組んでいます。
NITSはその前身である教員研修センター、さらにはその前の国立教育会館学校教育研究所、国立教育会館筑波分館だった時代から、中央研修を実施して全国から数多くの教職員の皆様に参加していただきました。参加された方は、つくばの地での学びと参加者同士のつながりをもって全国へ戻り、教育活動に生かしていただいていました。
これまで研修等の実施によって全国の教職員をつないできた私たちは、現在も対面による研修でその機能を維持しながら、「研修観の転換」をキーワードとして、さらに全国の教職員の学びに関わる様々な関係者をつなぐ取組みを進めているところです。
具体的には、研修マネジメント力協働開発プログラム(マネプロ)を、各地域ブロック単位で実施しながら、全国の学校、教育委員会、教育センター、教職大学院等の関係者による学び合いのコミュニティの形成に取り組んでいます。
この取組みにより、地域の実情に応じた、教職員の自主的な学びの輪が広がっていくことを期待しているところです。

今日の学校は、不登校児童生徒の増加にも表れているように、子供たちが抱える課題の複雑化や困難化とともに、家庭や社会の在りようが変化する中で学校に求められるものが増えてきています。
そのような中であっても、教職員の皆様は、日々子供たちに向き合い、子供たちに伴走しながら教育活動に取り組んでいらっしゃいます。毎日の授業が一人一人の子供の興味や関心を引き出せるものとなるように、そして授業の中で子供たちの瞳が輝く場面を作り出したいと、日々悩みながら工夫を重ねていらっしゃる教職員の皆様に対して、私たちは深い敬意を胸に、寄り添ってまいります。

私たちNITSは、学校現場の声を聴き、学校現場を感じながら、学校現場から学び続ける組織でありたいと思っています。そして、全国の教職員の伴走者として、教職員の学びを支え、子供たちの瞳を輝かせるために歩み続けます。