小学校における外国語教育指導者養成研修(研修参加者の声)
令和7年2月3日(月曜日)から2月5日(水曜日)までの3日間の日程で「小学校における外国語教育指導者養成研修」を開催しました。研修参加者にインタビューし、感想を伺いました。
本研修に参加した感想をお聞かせください。
全国各地の先生方と、外国語教育について熱く語り合うことができました。私は小学校の外国語専科教員として、ほぼすべての外国語教育を担当しています。しかし、周囲には同じ立場の教員がほとんどおらず、外国語教育について話し合う機会がなかなかありませんでした。
本研修では、現場の教員だけでなく、教育委員会やセンターの指導主事など、様々な立場の方が参加されていました。皆さんが日頃から外国語教育について真剣に考えていることを感じ、私もその中の一員として、日々の悩みや葛藤を共有できたことがとても嬉しかったです。
本研修で印象に残ったことはありますか?
第3講の実践発表で、翻訳アプリの話がありました。子供たちは1人1台の端末で翻訳アプリに簡単にアクセスできます。それなのに「絶対に使わないで」と指導することに、少し違和感を覚えていました。一方で、「使ってもよい」とすると、子供たちが考えずに頼ってしまう。このバランスをどう取るべきかが、私の悩みでした。
大人も翻訳アプリを使いますが、「大人はよくて、子供はダメ」なのはなぜか。それは、「自分で判断できるかどうか」の違いなのかもしれません。大人は翻訳結果を見て「これは適切か?」と判断できますが、子供は「出てきたものが正しい」と信じてしまうことが多いのです。これまでの私は、この点を曖昧に考えていました。
実践発表者の方は「使わない方がよい」、つまり、「翻訳アプリに頼ると『考える力』が育たないのではないか」という立場でした。教科の本質とセットで説明があり、とても分かりやすかったです。翻訳アプリを使えばすぐに答えが出ますが、「どういう意味だろう?」と考える時間にこそ、言葉を学ぶ面白さがあり、それが大切なことだと気づきました。また、「ダメ」と単純に禁止するのではなく、「なぜダメなのか」、子供たちが納得できるように伝える工夫をすることの重要性を学びました。
悩みながらも、新たに見えてきたことはありますか?
正直なところ、「すっきりした」とは言えません。それでも、同じ悩みを抱える仲間がたくさんいることを知ることができたのは、大きな収穫でした。
1人で考えていると解決策が見えないことでも、同じ想いを持つ仲間と話し合うことで、新たな視点や気づきを得ることができます。この研修において得た繋がりを大切にしながら、これからも外国語教育を学び続けていきたいと思います。