令和5年度教職員等中央研修(教育行政リーダー研修)の実施について

本研修はNITSが今年度新設した研修です。子供たちの学び(授業観・学習観)とともに、教職員自身の学び(研修観)を転換し、「新たな教職員の学びの姿」を実現すべく模索する中で、新規にデザインした研修の一つです。参加対象は、各都道府県・市町村の教育委員会幹部職員で、教育長、課長級・次長級職員、主任指導主事などの皆さんをお迎えして実施しました。

本研修の目標は、参加者が職場での実践における既存の手法や考え方を捉え直すことで、実践を変革できるようになることです。この目標を達成するため、本研修は探究的省察・実践型となっています。研修方法としては、対話やリフレクション、実践事例の共有、ケーススタディ、参考資料の読み解き、探究記録を綴るなどの多様な学び方を取り入れながら、参加者が自身の経験や考え方を振り返り、相対化させることで内省を深める時間を豊富にとっています。

集合・宿泊研修の約2か月前には、参加者による対話を中心に据えたオンラインによる事前説明会を行うことで、参加者同士の親和性が高まることをめざしました。そして、8月7日(月曜日)から8月10日(木曜日)まで、つくばにて3泊4日の集合研修を行いました。今後、約5か月間の実践期間を経て、再び1月にオンライン研修を1日行います。この1日は、参加者がお互いの実践報告に向き合い、対話を重ねながら省察を深め、研修後の実践に再び向かっていくことができるようにします。

集合・宿泊型研修のアンケートには、

「正解のない時代にこそリフレクションが重要であること、判断の尺度が意見を支えること、経験を通して物の見方を形成し判断に活かされていることを学んだ。これまでの自分の物の見方や考え方の癖はまさしくここにあると実感した。」

「課題の原因を探る際には、見えない部分にしっかりと目を向け、ゴールと解決のプロセスは当事者が十分な対話のもと定めることが、自走する組織をつくる上で不可欠であると感じた。さらには、進捗状況を確認し、よい変化を見逃さず共有することが組織のモチベーションを向上させ、シナジー効果につながる。今後は、このような組織をつくるための伴走者としての役割を十分果たしたい。」

というような感想をいただきました。

わたくしたちNITSも研修参加者の皆さんの「探究の旅」に伴走させていただきながら、「新たな教職員の学びの姿」を実現すべく、研修を改善する探究サイクルを回し続けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。