NITS研修マネジメント力育成プログラムの実施について

当機構では、令和5年度より、「NITS研修マネジメント力育成プログラム(通称:マネプロ)」を実施しています。 本プログラムは、教育委員会から派遣された特別研修員をはじめ当機構に在籍する職員が、「新たな教職員の学び」「研修観の転換」の実現に向けて考え、探究していくことを通じて、研修マネジメント力の育成を図るプログラムです。1~2週間に1度、対話や取組の時間を確保し、年間を通じて実施します。 4月14日(金曜日)に福井大学の教員をお招きし、第1回を開催しました。第1回では、「マネプロは『対話による視野の広がり』と『記録・省察による考えの深まり』を大事にしようとしている」ことを確認した後、実際にグループで対話を行い、それぞれの経験や考えを深掘りしながら、お互いの視点の違いを確認する経験をしました。 4月27日(木曜日)には第2回を開催しました。第2回では、「今求められている教職員研修とは?」をテーマに、中央教育審議会答申の資料等を読んだ上で協議を行いました。 資料を読み込む時間では、集中して資料と向き合ったり、参加者同士で相談したりと、それぞれの学びの姿が見られました。協議の時間では、4~5人のグループで活発に意見交換を行う姿が見られました。 参加者からは、 「今回の私のグループには、教育委員会からの派遣者、プロパー職員、研究者、文科省からの出向者と様々なメンバーがいて、まさに『異質な他者』との対話となった。前提が共有されていない部分があるため、例えば『学び』『研修』といった言葉一つとっても、その捉え方は人によって様々であると感じた。こうした協議の場は、お互いの見方や捉え方を確認できるという意味で、今後議論を深めながら協働して一つのものを作っていくためには重要だと感じた。そうした他者の見方を知った上で、改めて自分の見方を問い直し、捉え直すための大変貴重な機会になったと感じた。」 「答申では、『研修はこうすべき』という固定的な在り方には言及されていない。しかし、『これからの時代には、日本社会に根差したウェルビーイングについて考察しつつ、教師自らが問いを立て実践を積み重ね、振り返り、次につなげていく探究的な学びを、研修実施者及び教師自らがデザインしていくことが必要になる。あわせて、教育委員会で実際に研修に携わる指導主事等に対し、研修デザインに関する学び直しの機会が提供されるべきである。』とある。よって、NITSは全国の教育委員会や教育センターと共に、研修における教師の探究的な学びをいかにデザインするべきかを模索していく必要があると考えた。また他の参加者から、『管理職との対話や研修の奨励があることにより、学びへの動機付けがなされたり、研修が意味付けされたりすることがあるかもしれない』という意見があり、確かにそうだと感じた。研修の捉え方は人によってかなり異なっており、中には『やらされている』と感じている教員もいるかもしれない。そうした中で、対話や奨励によって研修の捉え方が変わることは、学びの質を高めることに繋がると感じた。」 といった感想が聞かれました。 これからも、新たな教師の学びの姿の実現に向けて、まずは当機構の職員が新たな学びを体現していけるよう、探究し、学びを深めていくための取組を継続していきたいと思います。