副校長・教頭等研修 9月25日

本日午前は清水法律事務所の清水幹裕弁護士による講義・演習「教育法規」、午後は帝京大学の小入羽秀敬准教授による講義・演習「タイム・マネジメント」を行いました。 受講者に感想を伺いました。 -判例から予見可能かどうかを考える 学校での法律問題を考えるにあたって、判例を参考にして、その事例が予見できたか否かを考えることが大事だとわかりました。特に、雷が鳴っている中でサッカーを続けた結果起こってしまった落雷事故では、高等裁判所では「予見可能であったといえず、これを予見すべきであったともいえない」とされましたが、最高裁判所では「予見することが可能であった。また予見できなかったとすれば予見すべき注意義務を怠ったというべきである」という判決が出ており、今後はこの最高裁の判決がベースになっていくので、日頃からアンテナを高くして情報収集をしていきたいと思いました。 私は教育委員会に所属しているため、危険が伴う可能性がある場合には最悪の状況を想定して、予測可能なことを考えられる教員になってもらえるよう、研修を通して域内に広げていきたいと思います。 -条件整備との関わりの中で学校ができること いじめ対応や保護者対応など、私も他の教員もこれまでは臆病だったように思います。午前中の講義・演習で、法律は守ってくれるものだとわかったので、生徒にも保護者にも毅然とした態度で接していきたいと思いました。大阪教育大学附属池田小学校の事件や水泳訓練における帽子の色分けの事例のように、条件整備との関わりの中で、学校も限られた予算や人員の中で対応しているため、できることとできないことをはっきりさせたいと思います。そして、それを生徒や保護者に伝え、理解してもらうことで信頼関係を築いていきたいと思いました。 -他県の取組がとても参考になりました 働き方改革というと、どうしても早く帰ることが目的となり、漠然と早く帰るように促していましたが、単なる時短ではなく、いかに教員のモチベーションを下げずに勤務時間を管理することができるかが大切だと感じました。 グループ演習を通じて、他県でも同じようなことに取り組もうとしていると知り、自分たちの方向性が間違っていなかったと思えました。勤務時間の管理として、簡単に取り入れられるPCのログイン・ログオフでは、消し忘れなどの課題があります。カードリーダーを導入している県があると聞いて驚きましたが、そこまで予算もないので、お金をかけずに取り組める方法を検討したいと思います。 また、自校では朝7時から夜9時まで、いつでも電話が繋がる状況ですが、他県の取組にあった留守番電話の導入を検討したいです。教職員自身の勤務時間の意識付けはもちろんですが、時間外は留守番電話になることで、外部の方に対しても教員の勤務時間を意識してもらえると思います。小入羽先生の講義にあった、教師に対しての期待値「教師観」を変え、働き方改革を理解してもらえるきっかけになればと思います。