中堅教員研修 8月19日

本日は、愛媛大学の平松義樹名誉教授による講義・演習「生徒指導の推進」と、新潟大学の長澤正樹教授による講義・演習「インクルーシブ教育の推進」を行いました。 受講者に感想を伺いました。 -「チーム」ではなく「チーミング」で対応する 趣味の話では盛り上がるけれどあまり仕事の話はせず、主張的な一部の教師によってまとまる「同調的職場風土」と、仕事の相談をし合えたり意見を言い合えたりして、必要があれば支え合う「協働的職場風土」。どちらも雰囲気のいい職場ですが、前者は自分たちのため、後者は子どもたちのためを想う風土のように感じます。本当はこうしたほうがいいというアイデアや意見を持っていたとしても、言いにくいということが実際に多くあります。ほとんどの職員が「それはよくないのでは」と感じていても、なかなか当人に言える人がいない、ということさえあります。私たちが考えなければいけないのは、そうやって意見を言わないでいることが誰のためなのか、ということです。自分の意見を言わないでいることや、オブラートに包んで伝えた結果本当の意図が伝わらないのでは、子どものためになりません。「チームで」という言葉をよく使いますが、そのチームが協働的に動く「チーミング」を意識していきたいです。 -原点に立ち戻れた講義だった 平松先生の、目の前の子どもに寄り添った数々の実践がとても参考になりました。若い頃に聞けたら、もっとよかったと思います。教師になり何年も経ちましたが、原点に立ち戻らないといけないという思いです。中でも最も印象に残っているのは「子どものそばにすべてがある」という言葉です。こういった研修の機会に参加すると、各校のいろいろな取り組みや対応を知ることができとても参考になりますが、それぞれの受け持つ子どもが違うということは、その周りを取り巻く問題やその解決方法も変わるということだと思います。我々は他校の先生がたや平松先生の実践をそのまま真似るのではなく、現場の状況に応じた取り組みをしっかりと考え、若い世代に伝えていく立場にあると思っています。 -気になる子どもにどんな対応をしてきたか振り返る 気になる生徒の問題分析の演習がありました。「①困ったこと」から「②どんなときか」「③今まで実施した対応とそれの効果度」を1つのシートにまとめるというものです。私も、実際に気にかけている生徒を思い浮かべました。実技科目では生き生きとしているけれど、5教科が苦手で、授業中固まって何もしなくなってしまう子です。①と②はスラスラと書けたのですが、③を書こうとして振り返ってみると、意外と手立てがなかったことに気が付きました。苦手でも頑張ろうとしている(ように見える)子どものほうに、どうしても支援の目がいってしまうのです。他の先生がたでも、気になる子どもはパッと思いつくけれど、実際に自分たちがどれほどの対応をしてきて、それがどのくらい効果をもたらしているのかを振り返ったことはあまりないのではないでしょうか。現場の先生たちにもこの演習をおこなってもらって、対応が十分であるのかを効果も含めて振り返りたいと思います。