中堅教員研修 8月16日

本日は、國學院大学の田村学教授による講義・演習「新しい学びの推進」と、島根大学の中村怜詞教授による講義・演習「コミュニティ・マネジメント」を行いました。 受講者に感想を伺いました。 -「深い学び」という言葉を多用してはいるけれど… 「深い学び」という言葉はとても便利なので、私の職場でもよく使われています。しかし実際のところ、よくわかっていなかったということに気づきました。「深い学び」とは、たとえば個々の事実的な知識をつなげて概念として捉えることや、知識が目的や価値と結びつくことなど、いろいろなタイプがあることもわかりました。いろいろなタイプがあるということは、自分が他の先生との会話の中で発した「深い学び」というワードが、聞き手の先生に正確に伝わっているかどうかもかなり怪しいということだと思います。授業研究をする場合は、その研究で扱おうとしている「深い学び」がどのタイプであるのかを予め参加者全員で確認してから行うことで、ようやく意味のあるものになるのではないかと思っています。 -子どもにとってわかりやすい授業 シンキングツールについてのご説明がありました。シンキングツールとは、比較したり関連付けたりする際の子どもの思考を視覚的に助けてくれるチャートなどの道具です。存在は知っていましたが、あまり活用したことがありません。我々が中学生だった頃には、そんなものは当然存在しなかったわけで、シンキングツールのない授業を当たり前に受けて勉強を乗り切った世代が、こういうツールの必要性を実感するのはちょっと難しいんだと思います。こんなに「簡単」にしなくても、と内心思ってしまうこともあったりします。ただ、目で見てわかりやすい図というのはやはり考えを整理しやすいですし、子どもたちが頭と一緒に手や体も動かして作り上げた図は脳にも定着しやすいのだということはわかります。発達障害児用の教材が健常児にとっても理解しやすいのと似ていますよね。シンキングツールは「簡単」ではなく「わかりやすく」するための道具なのだと、改めて学びました。 -子どもに当事者意識を持ってもらうには 地域と連携する上で、「当事者意識を高める4ステップ」として、「in(その地域に入る)」「about(その地域について知る)」、「for(地域のためにする)」「with(地域とともにする)」があるというお話がありました。私の中学校には、毎日生徒たちの通学を見守り、時にはご指導くださる地域の会があります。もう15年以上続いており、生徒指導に一緒に取り組んでくださっています。これは、地域の人たちが「for」の段階でご支援くださっているということだと思いますが、子どもたちが地域の一員としての当事者意識を持つためには、子どもたちから発せられる「for」や「with」が必要だと思います。この会は地域の祭りも催しているので、生徒がめあてを持って一緒にその祭りに参加したり、準備段階から手伝ったりすることで、双方向にとって価値のある連携をしていけるのではないかと思っています。