次世代リーダー育成研修 8月8日

本日は、畿央大学の島恒生教授による講義・演習・協議「道徳教育の推進」と、福岡教育大学の河内祥子准教授による講義・演習・協議「リスク・マネジメント」を行いました。 受講者に感想を伺いました。 -発達段階に応じた中心発問を考える 私は高校の教員をしておりますので、小・中学校ほど、道徳教育の実践は多くありません。しかし、今日の講義を聞いて、小・中学校が道徳の授業でどんな取り組みをしているのかを具体的な例から知ることができました。たとえ同じ教材を使用したとしても、中心となる発問を変えることによって、各学年の発達段階に応じた深さの学びになる、ということがわかりました。例えばルールの大切さについて考える授業では、ルールを無視して横入りをし、母親に怒られた主人公について「主人公はそのとき何を考えましたか?」という発問と、「主人公も他の人も、急いでいる気持ちはみんな同じ。主人公と他の人の違いは?」という発問では学びの深さが異なるということです。実は、私の県では高校でも道徳を必修としています。小・中学校で発達段階に応じて学んできたことを踏まえて、より深い学びへとつながるよう、中心発問をもっと丁寧に考えてみようと思いました。 -「こんな価値観もある」ということを一緒に考える 道徳では「教える」のではなく、「一緒に考える」という姿勢が大事だと感じました。子どもだって、正しいこととやってはいけないことがあるということを知っています。それでも怒られたり評価が下がったりすることを気にして、隠したりごまかしたりしてしまうことだってあるということも経験しています。そして、それは我々大人であっても心当たりのあることです。このように、教師である私自身が完璧に到達できていないねらいを「教えよう」としたって、子どもたちの心にささるわけがありません。大切なのは、子どもたちと「一緒に考えて」、子どもたちに「こんな価値観もある」ということを知ってもらうということだと気づきました。だから、授業の終わったあとに「でもやっぱり僕はバレなきゃ謝らなくていいと思う!」と言う児童がいてもいい、というお話に納得できました。子どもたちがこの先なにかの葛藤に直面した時のために、価値観の引き出しを豊富にすることに意味があるのではないかと思っています。 -リスクの洗い出しと教員の責任 リスク・マネジメントの協議では、1つの具体的な題材についてグループで話し合いの場が持てたため、自分では思いつかない意見を聞くことができました。また、他のグループでは時系列に沿ってまとめていたり、登場人物ごとに分けてまとめていたりしたのを見て、同じまとめ方では見えなかったリスクを発見できるということにも気づきました。職員間で学校内のリスクを考える際には、洗い出しかたは固定せず、職員それぞれが多様な視点から自由に考えてみるというのも手なのかもしれません。私は特別支援学校に勤めていますので、日頃から生徒の体調管理や事故には気をつけているつもりでしたが、今回の様々な裁判の凡例を聞き、教員や学校の責任の重さは想像以上だと思いました。どんな状況にも対応できるよう、職員全員で危機管理の意識をより強く持たないといけませんね。