生徒指導指導者養成研修 7月3日

本日は、兵庫県立大学の竹内和雄准教授による講義「ネットトラブルの未然防止及び解決に向けた指導と対応」、日本女子大学の坂田仰教による講義「生徒指導と学校コンプライアンス」を行いました。 受講者に講義の感想を伺いました。 -子どものネット使用の実態を知った上で、一緒にルールつくりをしていきたい 小1の21パーセント、中1の80パーセントがスマホを持っているという事実はとても衝撃的でした。 普通の小学生でもSNSの使用は当たり前なこと、ネット上の知り合いとボイスチャットをしながらゲームをしていること、アプリで動画配信をしていることなど、思っていたよりもずっと進んでいて驚きました。 まずは教師と子どもたちの認識の違いを埋め、対策をとっていく必要があると思います。 対策をとるにしても、教師から禁止事項を押しつけていくのではなく、子どもと一緒にルールつくりをしていくのが大切だと思いました。保護者にもフィルタリングサービスやルールの情報提供をして、学校・子ども・保護者でネット使用を考えられるようにしていきたいです。 -ネットいじめの現状にショックを受けた ネットいじめというと、ラインで誹謗中傷が行われるイメージがありました。しかし、ラインだとスクリーンショットなどの証拠が残るので、最近は「ステメ」を使ったいじめが多いそうです。「ステメ」とはラインのプロフィールページで名前の下に表示されるステイタスメッセージのことです。そこに「自己中心なんだね」「わがままだね」といった、個人を名指しせず匂わせる程度のメッセージを書き込むというやり方が増えているそうです。名指しされていないので誰のことを言っているのか分からず、自分のことを言われているのではないかと不安になり、友人関係が上手くいかなくなるそうです。子どもたちがこんな厳しい状態に晒されているのは正直に言ってショックでした。 こういった現状をどう学んでいけばよいか、学校現場では困っています。竹内講師から、生徒を講師に迎え研修を行ってはどうか、というアドバイスがあり目から鱗でした。生徒が素直に話してくれなければ、卒業生を呼べば良いそうです。若者の力を借り、現状を把握していきたいと思います。 ―リーガルマインドを持った教職員を増やしていきたい 教師に大切な資質は時代によって移り変わっていると自覚しないといけない、という言葉にとても考えさせられました。 坂田講師によれば、昭和は愛と情熱、平成はカウンセリングマインドが教師に求められていましたが、令和はリーガルマインドが求められる時代となっているそうです。 今回色々な判例を学び、自分の認識の甘さに怖くなりました。 例えば、落雷事故により生徒に重い障害が残り、3億円の賠償が命じられたという判例では、金額の大きさだけでなく、科学的知見の必要性や安全配慮義務など、教師にとても重い責任があることに驚きました。 自校を思い返してみても、リーガルマインドがある教職員は多くありません。もっとシビアにならないといけないと思いました。まずはガイドラインや通知の読み直しから始めていきたいです。