生徒指導指導者養成研修 7月2日

7月1日より、生徒指導指導者養成研修を実施しています。 本日は、神田外語大学の嶋﨑政男客員教授による講義・演習「学校・家庭・地域・外部機関との連携」、別府大学の佐藤敬子教授による講義・演習「チーム学校のためのコーチング」、日本大学の藤平敦教授による講義・演習「いじめの未然防止と対応」を行いました。 受講者に感想を伺いました。 -受容することと共感しないことを学校内で共有する 問題行動を起こした生徒に対して、心理的な事実は受容するけれど、客観的な事実は共感しない、というお話がありました。「つらかったのはわかるけど、ダメなものはダメ」という指導のことです。昔、花壇を荒らした生徒に対して、この姿勢に則って生徒指導を行ったことがあります。問題行動の背景を考えると、確かに家庭内のストレスは相当なものであったことは想像に難くないこともあり、「今回のことは大目に見てあげたい」という思いも、実はありました。今日の講義を受けて、大切なことは「大目に見る」ことではなく、家庭環境のことは外部機関とも連携して解決すべき別の課題であり、問題行動自体は、やはり共感すべきでないことが再確認できました。もちろん実際の指導スタイルは教師によって異なりますが、生徒を指導するためには「受容すべきことと共感すべきでないこと」という基本的な姿勢については学校内で共通理解を持つ必要があると感じました。 -コミュニケーショとは何かを知った 「生徒とコミュニケーションを取ることは大事」という言葉は何百回と聞いていますし、私自身も言ったことがあるであろう言葉です。しかし、そもそもコミュニケーションとは何か、ということについて深く考えたことはなかったかもしれません。講義では、「「コミュニケーションをとる」とは相手を理解することというよりも、わかろうとすること」という話がありました。確かに、生徒たちは私とは全く違う人生や考えを持つ一人の人間ですから、完全に理解することはできないのだと気づきました。しかし「理解できないから仕方ない」ではなく「それでもわかろうとする」こと、そして「わかろうとする」ためには長さよりも回数が大事であることを学びました。自分が子どもの頃を思い返してみても、何かあったときだけじっくり話を聞いてくれる大人より、日頃からちょくちょく会話をしていて馴染みのある大人のほうが本音を打ち明けやすいということはよくわかります。生徒たちと向き合う回数を増やして、いざという時に本音を話してもらえる存在でありたいと思います。 -いじめの未然防止に力を入れていきたい 「初期対応(早期発見)」と「未然防止」、どちらもいじめに発展する前の「予防」です。しかし、前者は「少なからず嫌な思いをした児童・生徒がいる」ということにハッとしました。いじめを防いで一安心していたつもりでしたが、些細なトラブルをどれだけ早期に発見したとしても、その当事者になった子どもは絶対に存在するのですよね。一方で未然防止とは、安心して過ごせる学級を目指すことで子どもたちの意欲や自己有用感が向上した「結果」として、いじめも起こらなくなるというもので、予防としてまず取り組むべきはこちらだと感じました。「未然防止」と聞くと、どうしても「いじめが起こらないようにするには…」という「マイナスから0へ」の視点に立ってしまいがちです。しかし、目指すべきゴールはあくまでも「誰もが安心できる集団をつくること」であり、その結果としていじめも未然防止できる、ということを意識しながら、本来の教師の役目である「0からプラスに」という視点に立って指導にあたっていきたいと思っています。