教育相談指導者養成研修 6月5日

6月4~7日の間、「教育相談指導者養成研修」を開催しています。 本日は、午前に立正大学の鹿嶋真弓特任教授による講義・演習「教育相談の在り方」、午後は鳴門教育大学の葛西真記子教授による講義・演習「性同一性障害に係わる児童生徒の教育相談」と、児童心理治療施設静岡県立吉原林間学園の市原眞記治療指導課長による講義・演習「児童虐待に係わる児童生徒への対応」を行いました。 受講者に感想を伺いました。 ―周りの子どもたちの理解が必要 「小学校の不登校児の中に、髪が長く女の子の服装をしていて、見た目は完全に女の子だけど、性別は男の子という生徒がいます。お姉ちゃんがいるので、彼女の真似をしているという可能性もありますが、その子が性同一性障害という可能性もあります。もしその子が性同一性障害だった場合、どのように関わっていくべきか、どうやって周りの子どもたちに認めさせるか。今はまだ小学校低学年だからいいですが、今後第二次性徴で筋肉やひげ、日焼けなどを気にし始めたとき、性同一性障害について、いつ教えるべきなのか。講義をきいて非常に考えさせられました。我々大人が理解することは当然ですが、周りの子どもたちの理解も重要です。「おかま」や「ホモ」、「オネエ」という言葉が笑いの対象だと知っている小学校1年生の頃から、性の多様性についての授業やグループディスカッションを行う必要があると思いました。」 ―気持ちの伝え方を工夫したい 「子どもがなにか悪いことをしたときに、なぜしたのか理由を聞き、なるほどねと、気持ちを受容することは大切ですが、これは悪いことをしてもいいと許容したわけではないという区別が必要だということが印象的でした。また、カウンセリングではまず相手とのポジティブな感情交流を行いラポールの状態を築くことが大切ということも、現場に戻って教員たちに共有したいです。子どもを変えようとするのではなく、まずは自分たち教員がどうすれば子どもとの信頼関係を築けるのか考え、自身の行動を変えようと思います。」 ―子どものことをよく見て認めてあげることが大切 「子どもの相談に乗るときに、相手をよく観察してしっかりした態度で落ち着いて話を聞くことや、丹田(たんでん)を意識して座ることで体が安定するという演習は、現場で活用できると思いました。初対面の子どもと話すときに、子どもだけでなくわたしたち教員も緊張や不安を感じます。そんなときに自分が落ち着いた姿勢で話を聞く準備ができていれば、子どもの緊張も和らぐのではないかと思います。 また、「ああすごいね」とただ褒めるのではなく、「今まではぼーっとしてたけどきちんとノートがとれるようになったね」というように、子どもの変化に気づきできたことを認めてあげれば、子どもも自分の成長を実感できますし、先生はみてくれているという信頼関係を築けるのではと思いました。」 ※丹田・・・おへそから握り拳1つ下の位置で、体の中心点。丹田を意識すると、体の重心が下がり、気持ちが落ち着き安定する。