副校長・教頭等研修 3

本日は、大阪市立大学の辻野けんま准教授による講義・演習「リスクマネジメント」、午後は、文部科学省の助言講師による演習・協議「スクール・コンプライアンス」を行いました。 受講者のみなさんに本日の感想を伺いました。 -“当たり前”に疑問を持つ姿勢がリスク管理につながる 「辻野講師の講義によって、“今まで良いと思っていた日本の常識は本当に正しいのか”ということについて、根本から考え直す新たな視点を得ることができました。『学校の絵を描いて下さい』といわれると、日本人は一様に“四角い形で真ん中に丸い時計がある建物”を描くそうです。海外では、教会のような、あるいは普通の家のような形など、様々な形で自由に描かれるということです。これは、日本の当たり前は、世界の当たり前ではないと示す一例ですが、 “これまで……だったから”“……するのが当たり前だから”という考えに凝り固まることの危険性を教えていただいたように思います。学校の当たり前が社会の当たり前だという考え違いをしていると、その全てがリスクにつながってしまいます。また、法に照らしてみれば、子供の権利は当然守られるべきものであるにも関わらず、学校という場所に入ってしまうと、それが見えなくなってしまう面もあるという、どきっとさせられる指摘もありました。“当たり前”に疑問を持つ姿勢がリスク管理につながることを肝に銘じ、自校の現状を見直したいと思います。」 -流されてはいけないものをはっきりと認識する 「『なるべくよい学校をつくる』という、辻野講師の言葉が心に残りました。学校は学力テストの結果等の数値や社会の意見に敏感で、それらに左右されやすい一面があります。しかし、学校が持続的に向上していくためには、流されてはいけないものをはっきりと認識することが重要だということでした。流されてはいけないものとは、例えば子どもたちの人権などです。学校で“当たり前”とされてきたことに対して、これでよいのかと常に問い続ける姿勢が、結果的にリスクマネジメントに結びつくというお話は深く納得できるものでした。学校とそれを取り巻く地域社会があり、様々な価値観がある以上、どんなことにもリスクが伴います。“なるべくよい学校”という言葉は決して消極的な意味合いではなく、リスクについてバランスよく考えられる学校ということだと思います。辻野講師の講義は、起こった問題に対する“HOW TO”ではなく、リスクマネジメントするにあたって、いかに社会的・世界的な広い視野に立ち、俯瞰して見る目を持つことが大切かを教えてくださったと思います。今後、管理職として新たな視点で学校や子どもたちと向き合いたいと考えています。」 明日も引き続き、演習・協議「スクール・コンプライアンス」を行います。