生徒指導指導者養成研修 最終日

生徒指導指導者養成研修前期の最終日である本日は、選択講義を行いました。1つは、大正大学の玉井邦夫教授による「児童虐待防止に向けた取組(1)」もう1つは、京都大学の木原雅子准教授による「性・薬物に関わる飛行の予防と対応(1)」の講義を行いました。その後、当機構の遠藤弘太郎研修プロデューサーによる「事例研究に向けた今後の取組」の協議を行いました。 受講者の皆さんに感想を伺いました。 -事実を受け入れ、生徒の話に耳を傾ける 「自傷行為・万引きなど各種リスク行動を起こす生徒の背景には、教師や家庭でのコミュニケーション不足があると事例から学びました。 万が一生徒がリスク行動を起こしてしまったら、責めるのではなく、事実を受け入れた上で、生徒の話に耳を傾けることが大切だと思いました。 教師が、生徒の話を真剣に聞く事で信頼関係を築く事ができ、生徒は充実感が得られ、自己肯定感の向上に繋がると思います。ひとりひとりの生徒の話に、より耳を傾けていきたいです。」 -通告は親を否定するためではなく、親子を守るためだと気づいた 「母親が育児放棄し、児童が下の弟や妹の面倒を見ているという家庭環境を知った学校が、児童相談所に通告した事例を聞きました。通告したことで、子ども達の命を守ることができましたが、きょうだいが離れ離れに生活することになってしまい、担任は通告が正しかったのか悩んだそうです。 今日の講義で、通告とは、親の育児への「否定的裁定」ではなく、「親子を救う」ためだという話がありました。もし、通告するような状況に直面したら、「そんなことがあるはずない」という思いから躊躇するのではなく、「親子を救う」ためと思い対応したいと思います。」 -各機関との連携、相談しやすい環境を整えておくことが大切 「児童虐待が増加する中で、学校だけでは対応できることが限られるため、地域住民、児童相談所、保健所などと情報や問題点の共有が大切だと思いました。そのためにも、学校としては、対応できることと対応が難しいことを明確にして、ケース会議などの協議の場を設けたいと思います。 各機関と連携し、情報を共有し、保護が必要な親や子供が、相談しやすい環境を整えておくことが大切だと思いました。」 今回の生徒指導指導者養成研修は、前期と後期とインターバル開催となります。 後期開催は12月3日からの予定です。