生徒指導指導者養成研修 3日目

生徒指導指導者養成研修3日目は、午前に日本女子大学の坂田仰教授による「生徒指導と教育法規」を、午後に国立教育政策研究所の藤平敦総括研究官による「いじめの未然防止と対応」を行いました。 受講者の方々に本日の感想を伺いました。 -子どもたちに学校教育を適切に行うため、法的な視点を踏まえた体制作りを行いたい 「午前の講義では、学校教育における法規との向き合い方を学び直すことができました。 コンプライアンス講習などは、今までも聞いたり学んだりしてきましたが、今日の講義は、単なるコンプライアンスではなく、『スクール・コンプライアンス』として、学校という文化や実態を踏まえた上での法規意識を学ぶ内容でした。 たとえば、いじめや不登校などの問題に発展してしまうこともある子供たち同士のトラブルなどでは、『トラブルを避けるために、はじめから子供たちが係わらないようにする』わけにはいきません。子供たちの間でトラブルが発生することも想定して、何事にも準備しておくことが学校現場における法律との向き合いかただと、今日の講義を聞いてよく理解することができました。 自分の周りをコンプライアンス意識の側面から見直してみると、法的な見方を踏まえてリスクマネジメントをするという意識は、浸透しきっているとは言えないと思います。子どもたちに学校教育を適切に行っていくためにも、今日の学びを周囲に伝え、法的な視点を踏まえた体制作りを行っていきたいです」 -法的な視点を持って日頃から準備しておくことは、生徒を守ることにつながる 「午前の講義の中では、生徒指導において法律を意識して準備しておくことの重要性を学びました。時代が変わっていく中で、かつてに比べ、法的な責任の追及や、訴訟などにつながることが増えてきています。コンプライアンス意識が社会全体で高まっている現状の中、学校においても危機管理や情報管理の重要性は繰り返し指摘されています。生徒指導において、今や法律への意識は不可欠です。法的な視点を持って、日頃から準備しておくことは、生徒を守ることにつながります。教員一人ひとりが法的な視点を日頃から意識することができるよう、今日の講義内容を同僚に伝え、一緒に法律意識を高めていきたいです。」 -現場の先生に実感を持ってもらえるように伝達する 「本研修全体では、いじめや問題行動など生徒指導上の重要課題をたくさん学びますが、勤務地に戻り、ここで学んだことを地域の教員に限られた時間の中でどのように伝えれば実感を持って伝わるだろうかと考えていました。悩んでいる中、今日の講義では、『自己有用感を高める指導』という具体的なポイントにそって、生徒指導上の諸課題のつながりを説明していただき、伝え方が見えてきました。 例えば、自己有用感を向上させれば、他者を攻撃する可能性が低くなり、結果として集団のいじめの未然防止につながる、という話が講義の中でありました。『自己有用感の向上』は多くの現場で実践されていると思うので、これを入り口にして生徒指導上の諸課題の説明を行えば、今、目の前で行っている取り組みの延長線上に、生徒指導で重要な「予防」「未然防止」があるということを伝えられます。 現場の先生に実感を持ってもらえるように伝達するためにも、今日の講義内容は大変参考になりました。」 研修4日目は、「情報モラル教育の充実」および「特別支援教育と生徒指導」の講義を行います。