キャリア教育指導者養成研修 2日目

7月2日より、キャリア教育指導者養成研修(第1回)を富山県で行っています。 本研修は、キャリア教育担当の指導主事等に対し、発達段階に応じたキャリア教育の在り方、校内外の連携を踏まえたキャリア教育推進のための具体的な手立て、キャリア教育の評価・改善方策について習得させ、各地域において本研修内容を踏まえた研修の講師等としての活動や、各学校への指導・助言等を行うことのできる指導者の養成を図ることを目的としています。 http://www.nits.go.jp/training/002/020.html 本日は、午前に事例発表・協議「発達段階に応じたキャリア教育~縦の連携を意識して~」、金沢工業大学の白木みどり教授による講義「発達段階に応じたキャリア教育」を行いました。午後は、スクールアドバイスネットワークの生重幸恵理事長による講義「発達段階に応じたキャリア教育~地域と共同して進めるキャリア教育の必要性~」、事例発表・協議「発達段階に応じたキャリア教育~横の連携を意識して~」を行いました。 受講者のみなさんに本日の感想をうかがいました。 -地域との連携をさらにブラッシュアップさせる 「富山県の地元企業の方と協議をすることができたことは、得がたいチャンスだったと思っています。 企業の方と『キャリア教育』という一つのテーマに対してお話しすることで、求めているモノ、求めている人材などがわかり、学校としても同じ方向を見て動く取り組みができそうだと感じているところです。 私が勤務している北海道では、富山県と同じく、学校・企業・ハローワークをつなぐ役割として、“進路相談員”を置いています。この方々が潤滑油になり、主に就職関係の指導をしてくださり、非常に助かっています。 しかし、今回の富山県の取り組みでは、企業はもとより、各教育振興会や県の労働政策課など、多岐にわたるサポートを行っていることを知り、きめ細かい取り組みに感銘を受けました。 この研修で得た視点やヒントを持ち帰り、これまで北海道でできている地域との連携をさらにブラッシュアップさせることができればと考えています。」 -地域での縦の連携を意識したキャリア教育 「秋田県では、6~7年前から『あきたでドリーム』というキャリアノートを作成しています。 小学1年生から中学3年生までを通して自分の夢や目標を記録したり、自身の振り返りを行ったりする、ポートフォリオのような形になっており、中学卒業時には、それを持たせて高校へ送り出しています。 しかし、高校に進学してしまうと、それまでの学区での連携が非常に少なくなるため、9年間のキャリアノートが高校でどのように活用されているのか、あまり知る機会がないのが実状です。 今回、“縦の連携を意識して”というテーマでグループ協議を行い、ほかの地域の先生方と話し合う中で、やはり小中は学区というまとまりで比較的連携を行いやすいが、中学から高校へのつながりを築くのは難しいという話がでてきました。 現段階で、グループとしては、高校においては社会とのつながりをより一層広げる意味において、“地域”での連携を視野に入れるべきではないか、という話し合いになっていますが、今後4日間の研修を通して、さらに考えを深めることができるのではないかとわくわくしています。」 -子どもたちの発達段階に合わせたキャリア教育をし、社会とつながる力を育む 「キャリア教育がうまく回り始めれば、自立的・主体的に考える子どもたちが育ち、『次はこうしたい』『これを学びたい』と、子どもの方から動き始めることが出来ます。 私はこれまで、長く特別活動に携わってきました。その中で常に考えているのが、『活動ありきの活動になっていないか』ということです。どのような子どもを育てたいか、何のための活動か、を明確にして教員同士が共有することで、活動の形骸化を防ぎ、子どもたちのコンピテンシーを高めていくことができると考えています。 キャリア教育について考えてみても、その多くを特別活動が担っていると私は認識しています。今取り組んでいる特別活動を生かしながら、子どもたちの発達段階に合わせたキャリア教育をし、社会とつながる力を育みたいと考えています。」 4日は、講義・演習「キャリアカウンセリングの基盤としてのコミュニケーションスキルの向上」と、演習「カリキュラムマネジメント~キャリア教育推進のためのプログラム開発~」を行います。