事務職員研修 初日

本日より、「教職員等中央研修(第1回事務職員研修)」が始まりました。本研修は、学校経営力向上のための高度で専門的な知識等を習得させ、各地域の中核となる事務職員を育成することを目的として、6月8日(金)までの5日間にわたって開催されます。 http://www.nits.go.jp/training/001/004.html 研修初日は、午前に文部科学省の坪田知広児童生徒課長による講義「教育政策の諸動向」を、午後に国立教育政策研究所の藤原文雄総括研究官による講義・演習・協議「チームとしての学校」を行いました。 受講者の皆さんに、研修の感想を伺いました。 -学校の現状や課題を主体的に考えられるようになりたい 「午前中の坪田児童生徒課長による講義では、いじめの認知件数という問題を通して、学校教育に係わる統計やデータ、数字の見方を見直すことができました。 いじめの認知件数の数字については今までにも目にする機会が何度もありましたが、『件数が多い=悪い』『件数が少ない=良い』と一面的に捉えてしまいがちでした。 しかし、現在のいじめ問題に関する教育政策は、『いじめを積極的に認知し、報告すること』はいじめに対し積極的に取り組んでいると評価されるものであり、誠実に件数を報告し、一件一件の事例に対応する姿勢を継続していく必要があるという方針です。その方針を頭に入れた上で、もう一度データを見直すと、『件数が多くて悪い』と思えていたデータの見え方が変わり、逆に、『いじめが少なくて良い』と単純に考えていた数値部分に、『見落としの余地は無いか』と考えることができるようになりました。 今後、自分が携わっている学校の現状や課題について、より主体的に考えられるよう、教育政策について学びを深めていきたいです。」 ―学校について主体的に考えることができるよう、学んで行きたい 「藤原講師による講義では、学校教育法の改正により、事務職員の職務が『事務に従事する』から『事務をつかさどる』に変わったことで、私たち事務職員に何を求められるようになったか、理解することができました。事務を『つかさどる』という職務になった今は、言われたことをただこなすだけではなく、学校全体のことを把握し、学校全体の今後のために必要となることを主体的に考えて、責任を持って提案・実行する能力が重要視されていきます。 そのためには、現在の教育政策や学校経営についてもより深く学ぶ必要があると思います。アンテナを広範囲に広げられるよう、日頃から心がけていきたいと思いました。」 -研修で他の人の視点や体験を情報として取り入れたい 「藤原講師による講義・演習・協議の時間では、『事務をつかさどる』ために必要な資質や、共同学校事務室についてなどをテーマとして協議しましたが、協議の中では、『自分とは異なる視点』に注目することが求められました。 小学校や中学校の事務職員は、学校の規模にもよりますが、校内に一人だけの『一人職』であることが多いため、事務職員としての視点の違いを知ることのできる機会はあまり多くありません。全国公立小中学校事務職員研究会などの交流の場はありますが、『視点の違い』を意識してお互いに気軽に話せる今回の研修は、とても貴重な時間でした。 特に、共同学校事務室についての協議では、自分と他の都道府県の受講者の体験談や視点の違いが大きく、印象的でした。自分は直接共同実施に関わっていないため、同じグループの、現在まさに共同学校事務室の室長をされている方など、共同実施を実施している側の、利点や苦労などの話は大変参考になりました。 また、共同事務室を置いて複数の学校の事務処理を一括して処理しているところもあれば、定期的に複数の学校の事務職員が集まり、共同して事務処理や相互点検をすることが中心の地域もあるなど、地域によって単に共同実施と言っても異なる取り組み方がなされていることを知りました。 他の人の視点や体験を情報として取り入れることは、目的に向けて自分がとることのできる選択肢を増やすことにつながります。明日以降の4日間でも、沢山の新しい視点を取り入れていきたいと思います。」 明日は、講義・演習・協議「学校組織マネジメント」および「チームワークとコミュニケーション」を行います。