道徳教育指導者養成研修 初日

「道徳教育指導者養成研修」が、本日から始まりました。本研修は、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育や道徳教育推進教師を中心とした指導体制の整備と道徳教育の展開、「特別の教科 道徳」の指導と評価、実践活動や体験活動の推進等について、必要な知識等を習得させ、各地域における本研修の内容を踏まえた研修のマネジメントを推進する指導者の養成を図ることを目的として、5月18日(金)までの5日間、講義・演習を行います。 http://www.nits.go.jp/training/002/016.html 1日目である本日は、まず文部科学省教育課程課の降籏友宏主任学校教育官による講義「道徳教育の抜本的充実に向けて」を行いました。 次に文部科学省教育課程課の澤田浩一教科調査官と浅見哲也教科調査官による講義「今、求められる道徳教育の充実を目指して」と協議「学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育推進上の課題-情報交換・課題の共有-」を行いました。 受講者の皆さんに本日の感想を伺いました。 -日常のなかで道徳的実践を指導する 「道徳的実践の指導は、授業だけでなく、日常の中で行うこともとても大事だということに、改めて気付かされました。 例えば休み時間の廊下歩行だけを見ても、「右側を歩く=規則の尊重」「転ばないように気を付ける=健康安全」「まだ授業をしている教室に迷惑を掛けないようにする=公徳心」など、道徳性を涵養できる視点はたくさんあります。 私は教育委員会に勤めており、教員の授業を見て、助言、指導をする立場にいるのですが、これまでは、その時の授業の内容についてのみ言及していましたが、これからは、その授業の内容が日常のどんな場面で活用できるのか、という視点で、指導・助言を行っていきたいと思います。」 -適切な指針を立て、きちんと価値付けていく 「講義を聴いて、具体的にどのように授業を進めていけばよいのか、どこに修正を加える必要があるのかが、明確になりました。 新しいことをやらなければならない訳ではなく、これまで蓄積してきた資源を有効に活用しつつ、それらに適切な指針を立て、きちんと価値付けていくことが大事なのだと分かりました。 そうした価値付けのための工夫については、講義の中で紹介された『道徳教育アーカイブ』を参考にしたいと思います。 『道徳教育アーカイブ』では、文部科学省が作成した授業映像等の実践事例が見られます。 若手教員をはじめ、こうした映像教材から学ぶことは、とてもいい刺激になると思います。」 ・道徳教育アーカイブ https://doutoku.mext.go.jp/ -学びを繋げていく 「私は小学校に勤めています。グループ協議では他校種の方の実践も聞けて、とても勉強になりました。 ある高校の実践では、教師が主体になるのではなく、生徒主体で地域貢献等の様々な活動を行っていて、それを生徒自身が後輩に受け継いでいるという話を聴き、とても感銘を受けました。 何でも教師主導で、「来年はここの改善が必要だ」などと見直しばかりになるのではなく、残すべき活動は伝統としてきちんと残すこと、またそれを生徒自らが主体的に決定していける校風を作っていくことも、とても大事なことだと思いました。 そうした実践を知り、小学校では何ができるかを考えた時に、小学校だけで完結するのではなく、中学、高校へ学びを継続させていく視点が大事だと思いました。 自ら考え、主体的に行動できる人材を育てるために、まずは小学校でその芽を育て、学びを繋げていきたいと思います。 道徳の教科化を受け、迷いながらも日々の実践に一生懸命取り組み、この研修で一つでも多くのことを学ぼうとする皆さんの姿がありました。」 明日は、「心を育てる道徳教育の具体的展開」等の講義と、「学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の実践と課題」等の事例発表・講評を行います。