幼児教育研修 初日

幼児教育を担当する指導主事や園長ら112名が参加する「幼児教育指導者養成研修」が、本日から始まりました。本研修は、幼児教育の指導の充実や小学校教育との円滑な接続、評価を含めたカリキュラム・マネジメントの適正な実施など、幼児教育の指導者として必要な知識等を習得し、各学校や地域における本研修の内容を踏まえた研修のマネジメントを推進する指導者の養成を目的として、11月2日(木)までの3日間、講義・演習を行います。 本日は、午前は文部科学省初等中等教育局の先﨑卓歩幼児教育課長による行政説明「幼児教育行政の最新の動向」を行いました。午後は文部科学省の河合優子幼児教育調査官と降籏友宏学校教育官による講義・演習「新しい幼稚園教育要領、学習指導要領について」、京都教育大学の古賀松香准教授による講義・演習「社会との連携・協働による教育課程の実現について」を行いました。 受講者の皆さんに本日の感想を伺いました。 「子供たちが話し合う様子などの映像を見て、『幼児期の終わりまでに育ってほしい姿』の10の観点のうち、どんな力が身に付いているかを考えて記述する演習がとても勉強になりました。実際に近くで見るのではなく、あえて映像として見ることで、客観的な視点で観察することができました。私は教育委員会に勤務しているので、私立、公立、幼稚園、保育所、認定こども園など、さまざまな立場の参加者が参加する協議会の中で、同じような形で研修を行おうと考えています。お互いに記述したものを見せ合い、交流することで、いろんな立場の意見が混ざり合い、保育の質の向上に繋がると思います。」 「子供たちの映像を見ながらの演習がとても参考になりました。私は幼稚園の園長をしているので、月2回行っている職員研修の中で、同様の研修を行いたいと考えています。特に場面設定を明確にした映像を用いることで、どんな場面でどんな力が身に付くのかを、より明確にしていけたらと思います。具体的な場面で子供にどんな力を身に付けさせたいのか、幼児期にどんな力を身に付けさせることが大事なのか、などを職員が意識するだけでも、子供たちへの関わり方が変わってくると思います。」 「『社会との連携・協働』という視点がとても新鮮でした。幼稚園等で育んだ子供の姿を、園内だけに留めるのではなく、地域や社会に知ってもらう、という視点が大事なのだと感じました。例えば、現在私の管轄する幼稚園等では、子供たちの遊びや学びの姿を写真に撮り、その写真の場面を見て、その子がどんな力を身に付けているかを職員同士で話し合う、という研修を行っています。そこからさらに一歩踏み込んで、その研修で出た意見を写真とともに模造紙などにまとめ、『この場面ではこんな力が身に付きました』などとし、園の入り口に掲示することで、保護者や地域の方に見せていくことができると思います。そのようにして、子供たちの成長や職員たちの学ぶ姿を保護者や地域の方に知ってもらい、連携・協働への第一歩にしていければよいと思います。」 11月1日は「乳幼児理解と保育者の援助の在り方について」「幼児理解と指導の在り方等について」「幼小接続を重視した指導案の作成」「乳幼児期における子育ての支援、家庭や地域との連携について」の講義・演習を行います。