道徳研修(北海道・東北) 2日目

8月28日より、岩手県盛岡市の「ホテルメトロポリタン盛岡」を会場に、「道徳教育指導者養成研修(北海道・東北ブロック)」が始まりました。当研修は、岩手県教育委員会と共催のもと、115名の受講者を迎え、3日間の日程で実施します。 本日は、部会別に講義や演習を行いました。 小・中学校部会では、午前に帝京大学大学院の赤堀博行教授による講義「『特別の教科 道徳』の実施に向けた指導と評価」、及び文部科学省初等中等教育局教育課程課の浅見哲也教科調査官による講義「『道徳の授業』の充実を図るために」を行いました。午後はさらに4分科会に分かれて、それぞれ指導助言者を招き、演習「『道徳の授業』の指導の工夫―学習指導案の作成・検討―」を実施しました。 高等学校部会では午前に、講義「人間としての在り方生き方に関する教育の展開」、及び事例発表・協議「人間としての在り方生き方に関する教育の実践と課題」を行いました。午後は、演習「人間としての在り方生き方に関する教育の実践―全体計画等の改善―」を実施しました。 受講者のみなさんに、本日の感想を伺いました。 「道徳教育の扱いについては、小・中学校とは大きな差があり、高等学校における悩みを皆さんと共有することができました。例えば、高等学校では道徳の時間が設定されておらず、教育活動の全体をとおして指導をすることとなっていますが、具体的にどのように指導したらよいのかわからないと感じている教員が多いのが現状です。 自分の高校では、言葉を選ばずに言えば、道徳教育自体を重要視していないところがありました。ですが、今回、小学校や中学校での道徳の取組を理解することにより、子供たちが高等学校に入ってくるまでにどのような教育がなされてくるのかを知り、その熱量を身近に感じることができました。それがとても新鮮で参考になったので、学校に帰ったら教職員の皆さんに、第一に伝えたいです。」 「事前課題として、小学校部会では低学年・中学年・高学年とそれぞれ担当している学年により別の教材が割り当てられていました。グループで事前課題を持ち寄った際、担当学年が異なり取り組んだ教材が違うメンバーが集まっていることがわかり、初めは「同じ教材に取り組んだ者同士で集まった方が、より身のある協議ができるのでは」と思っていたのですが、違いました。異なる教材に取り組んだ者だからこそ持っている考え方は、自分の指導案を検討する際にとても貴重なものでした。道徳教育は決まった答えがないため、人により持っている意見は違います。それをまとめ上げる作業は大変だろうなと思っていましたが、今回の演習で私たちのグループは、楽しんで話し合いを行うことができました。これからどのように『特別の教科 道徳』と付き合っていくのか、今後の見通しが少し持てたような気がします。」 「演習でグループの皆さんが持ち寄った指導案を協議する中で、地域によって道徳に関する研修の進み具合が違うことに気付きました。私は、他県の進んでいる取組をきいて出遅れているなと感じました。同時に、それぞれの県の方向性や意見を伺うことができ、非常に参考になりました。また、グループ活動において、意見を認め合える方々がいることに心強さを感じました。私も子供たちにとってそういう存在にならなければいけないと強く感じました。」 30日の最終日は、全受講者が一堂に会し講義や演習を行います。