いじめの問題研修 初日

いじめの問題に関する指導者養成研修が本日開講し、小・中・高校・特別支援学校等の教諭、教育委員会等の指導主事ら113人が開講式に参加し、初日の講義を受講しました。 12日までの5日間、講義や協議、演習をとおして、いじめの問題解決に向けた取組を検討します。 当研修は、法律及び国の基本方針への理解を深め、特にネットいじめへの対応や保護者との連携の在り方等について学ぶことをとおして、組織を育てマネジメントを行う力を身につけた指導者の養成を図ります。 本日は、開講式に続いて、文部科学省初等中等教育局児童生徒課の坪田知広課長による講義「いじめの問題に関する現状と取組」、午後は、鳴門教育大学の森田洋司 特任教授の講義「いじめの問題の捉え方」、事例協議「いじめの問題への取組」を行いました。 事例協議では、自校等のいじめの問題とその取組に関する現状について、グループごとに熱心な意見交換が行われました。 受講者のみなさんに本日の感想をうかがいました。 「現場では法的根拠を知る機会が少ないため、いじめ防止対策推進法やいじめの定義について法的根拠を理解できたことは有意義でした。自校ではアンケート等も活用しながら、いじめの状況を把握するように努めていますが、小さないじめやいじめの芽まで全てを把握するのは難しい現状があります。大人の見ていない隙間にもいじめやいじめの芽は潜んでいます。もっと多くの人の目があるといいのですが……。こうした課題も改めて認識できたので、模索しながらも状況把握に努めたいです」 「いじめの捉え方への認識に変化がありました。森田教授の講義で「いじめがおこった時に、教員のそれまでの指導が問われるものではない、そこからの対応が重要」といった内容に共感しました。「いじめがおこってしまった」というマイナスイメージを、そこからの対応次第でプラスの要因もうまれてくる、と捉え方を方向転換して、解決力を身につけることも大切です。いじめは大人になってもおこり得るものかもしれません。そのときに解決できる力を身につけることが大切です」 「事例協議では、「生徒が被害を訴えたときに整合性をとることが難しい」という事例について話し合いました。被害側、加害側、保護者と話し合いをしてもいじめの事実が出てこない例もあります。そうした場合、生徒も保護者も納得できないことがあります。どうしたら納得して、かつ安心してもらえるかが難しい課題です。生徒と保護者と話し合いを重ね、信頼関係等を構築していくことが大切だと思います」 明日は、「いじめの問題への組織的な取組の考え方と実践」をテーマに、講義及び協議を実施します。