教育相談指導者養成研修 最終日

本日は、FR教育臨床研究所所長 花輪敏男講師による「不登校児童・生徒の支援と教育相談」、「特別支援教育と教育相談」を行いました。 受講者のみなさんに本日の感想をうかがいました。 -沖ではなく、壁に向かわせる 「勤務校にも、中学時から不登校で進学してきた生徒が数名います。彼らは、なんとか登校できた日も、「午前中は頑張れるけれど、午後からは無理です」と訴えてきます。 講義の中で、「『今月は』『1時間だけ』学校で過ごしてみよう」と壁を作ってやり、スモールステップを踏ませる手法を学びました。「もうちょっとがんばれ」と“沖”に向かわせられるのではなく、“1時間だけ”という壁(ゴール)に向かわせられるほうが、精神的な負担が大幅に減るというお話は、自分の身に置き換えても大変納得できるものでした。 現場に戻ったら、不登校児童・生徒の支援の考え方、方法について、学校だけでなく県や地域にも広く伝えていきたいと考えています。」 -一人一人の子どもの実情に即した向き合いかたを模索したい 「講義を聴き、「ちょっとした言葉のかけ方で、そんなに子どもが変わるのか!」と衝撃を受けるとともに、腑に落ちるものもありました。 本校の養護教諭は、不登校の生徒に対して「新学期だね。身体測定をするから、学校においで」「どんなに調子がよくても、今日は1時間たったら帰ろうね」等の声かけをしています。このアプローチは、まさに花輪講師のお話に出てきた方法そのもので、養護教諭の声かけによって、子どもたちが少しずつ心を開き、学校に足を向け始める理由が見えたように感じました。 勤務校の教職員に本日の学びを伝え、一人一人の子どもの実情に即した向き合いかたを模索したいと考えております。」 -顔の見える連携に 「私は現在、総合教育センターで教育相談の担当をしています。 センターでは、学校からの電話相談を受けるケースが少なくありません。しかし、電話では、相談されている先生や不登校の生徒の顔もわからない状況にあります。そのため、時には、こちらの真意や取り組んで欲しい内容が学校側に確実に伝わっているだろうかと悩むこともありました。 我々、教育センター等の機関はあくまでも“黒子”であり、学校に対して助言をする役割を担っています。不登校の解決には、生徒と直接関わる学校に主体性をもって動いていただかなければなりませんが、専門機関と学校が連携して動くためには、より互いの顔が見える形にすることが必要なのではないかと感じました。今後は“顔の見える連携”を構築することを視野に、行政訪問の回数や教員と直接面談する機会を増やすことを検討したいと考えています。」