カリマネ研修 最終日

カリキュラム・マネジメント指導者養成研修の全日程が終了し、256名の受講者が修了証書を手にしました。最終日となる本日は、昨日作成した研修プランをもとに、代表班による全体発表を行いました。その後、本研修の総まとめとして、千葉大学の天笠茂特任教授による講義「『カリキュラム・マネジメント』と組織化」を行いました。 研修の全日程を終えた受講者の皆さんに、感想を伺いました。 「2日目に行われた事例発表が、特に勉強になりました。カリキュラム・マネジメントの取組内容はもちろんのことですが、コンセプトを分かりやすい言葉で伝えることの大切さを学びました。例えば、『やっちゃえNISISIN』『自立する18歳』など、コンセプトに使用する言葉の力について改めて考えさせられました。しっかりとした理論に基づき、キャッチーな言葉で周りを巻き込んでいく、その改革の有効性に感銘を受けました。現場に戻ったら、私は教育委員会に勤めているので、学校訪問を通じて、各校にこの研修で学んだことを伝えていきたいと思います。特に、これまでは年間計画など、全体的な部分を伝えることに力を入れていましたが、それだけでなく、各教科を通じた学びのスタイルについても伝えていきたいと思います。カリキュラム・マネジメントを学校全体で行っていくことで、一人じゃなくチームで職務に取り組めるようになり、そのことが、若年層を育てることや多忙化の解消にも繋がっていくと思います。」 「昨日作成した研修企画書を、持ち帰ったらすぐに実行したいと考えています。私は教育委員会に勤めているので、カリキュラム・マネジメントの理論の部分を、委員会内の指導主事同士で共有するための研修会を開きたいと思います。おそらく指導主事の中には、『カリキュラム・マネジメント』という言葉を聞いたことはあっても、実際にどうやって進めるかについてはぼんやりしている人も少なからずいます。研修会を通じて、その具体的な進め方について伝えていきたいです。特に私が伝えたいのは、PDCAサイクルの具体的な回し方についてです。カリキュラム・マネジメントの3つの観点のうち、『教科等横断的な視点』『人的又は物的な体制の確保』については、ある程度行えている学校が多いと思うのですが、『評価・改善』の観点については、意外とできていない学校も多いと感じます。PDCAサイクルを、『言語活動』『環境教育』といったそれぞれの分野で回していくことで、絵に描いた餅にならない、実践的な評価・改善に繋がっていくと思います。」 「高等学校の教員も、『カリキュラム・マネジメント』の必要性について危機感を持つ必要があると感じました。本研修を通じ、小中学校の教員の方々と意見交換を重ねることで、小中学校ではかなり『カリキュラム・マネジメント』に対する意識が高まっていると感じました。高等学校の教員として、小中で繋いだバトンをしっかり受け取って、社会へ繋げていく必要があると感じています。勤務校に戻ったら、まずは管理職をはじめとした職員たちに本研修で学んだことを伝え、本校の不十分な所を見直していきたいと思います。本校の生徒たちの多くは決して勉強が得意ではありません。でも生徒一人一人は、それぞれの可能性を持っていると私は思います。その可能性を伸ばすために、カリキュラム・マネジメントに基づいた授業改善を図り、基本的な学力を身につけさせたいです。一人では難しくても、学校全体、さらには保護者や地域も巻き込んでいくことで、生徒たちの可能性を伸ばすことに繋げていけると思います。」 年内の研修はこれで最後となります。次は年明け1月9日(火)から、教職員等中央研修「第5回中堅教員研修」が始まります。