中堅教員研修 5日目

本日は、FR教育臨床研究所の花輪敏男所長による講義・演習「インクルーシブ教育システムの構築」、株式会社 燦の西村雅司代表取締役による講義・演習「組織作りとコーチング」を行いました。 受講者のみなさんに本日の感想をうかがいました。 -支援が必要な子どもたちへの関わり方 「花輪講師の講義内容は、これまで自分が長く携わってきた生徒指導にも当てはまる部分が多いと感じました。 中でも特に印象に残ったことが2つあります。1つは、支援が必要な子どもたちに対して、『できるか・できないか』という○×で答えさせる問いではなく、相手から自分の行動を決める回答を引き出すような問いかけをする必要がある、というお話です。 ややもすると、指導する側は『○○できるかな?』などと、子どもに『はい』『いいえ』を迫りがちになりますが、それでは子どもに主体的に行動させることはできません。気をつけなければならない点だと感じました。 もう1つは、支援が必要な子どもたちに対しては、具体的な数を示したり、手順や方法を指示したりして、理解、行動がしやすいように“補助線を引いてあげる”ことが大切だということです。 支援が必要な子どもたちそれぞれの特性を見極めながら、“その子に合った補助線を引く”という視点を忘れずに向き合っていこうと考えています。」 -生徒に“伝わる”言葉かけをする 「私は、高等学校に勤務しています。これまでは『インクルーシブ教育』は小中学校メインのものだと考えており、あまり身近なものとは捉えていませんでした。 今回の講義を受けて、『インクルーシブ教育』とはすべての児童生徒に関わるものだと気づきました。特に、5W1Hを意識した具体性のある声かけの仕方は、発達障害を抱えた生徒だけでなくすべての生徒にも有効だと思いました。 自身を振り返ってみると、生徒指導や学習指導をする上で、伝わりやすいかどうかを振り返ることもなく、簡単に言葉を発してきたように思います。今後は、一度心の中でかみくだき、生徒に“伝わる”言葉かけをしたいと強く思いました。」 -生徒自身が答えを見つけられるように援助する 「西村講師によるコーチングの講義・演習を通して、生徒から答えを導き出す質問をすることの大切さを実感しました。 これまでは、生徒の悩み相談に対して、『こうしたらどう?』『ああしたらどう?』と、できる限りのアドバイスをしていました。 しかし、重要なのは『今の自分には何ができるのか』『これからどうしていきたいか』という問いかけをし、生徒自身が答えを見つけられるよう、援助することだと学びました。 実際にコーチングの演習を行う中で、相手の発問の意図を汲む難しさも感じました。勤務校に戻ったら、ぜひ、今回の学びを活用したいと思います。」 28日(月)は、「生徒指導のマネジメント」「防災と安全管理」の講義・演習を行います。