人権教育指導者養成研修 3日目

人権教育指導者養成研修3日目は、演習「学校における人権教育の改善・充実について-『人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]』等を踏まえて-」を1日かけて行いました。 受講者の皆さんに本日の感想を伺いました。 ―ボトムアップの形で学校全体の人権意識を向上させる 「本日は、グループで人権教育に関する研修プログラム案を作り、分科会内で発表を行いました。私たちは、教職員向けの研修プログラムについて、これまで2日間の学びをふまえて考えました。 成果物をつくる過程では、『人権教育』に焦点を当てた校内研修の在り方について、他の受講者と深く話し合うことができました。受講者によっては、『そもそも人権教育を校内研修のテーマにする機会も少なく、他の教職員に伝えられる機会が非常に限られている』という方や、いつも1人で研修内容を考えている方もいました。そんな中、今回のように4,5人でグループを作って、一つの研修プログラムを作り上げるためにアイデアを出し合える機会はとても貴重で、良い機会となりました。 『若手教員へどうやって人権意識を芽生えさせるか』というテーマの発表がいくつかありましたが、あえて、『若手教員から、中堅教員やベテラン教員に伝えることで、学校全体の人権意識を向上させる』という発表が印象的でした。 人権教育の推進校などに指定されていない限り、残念ながら多くの学校で人権意識の浸透は十分とはいえない現状があります。そのような状況の中、若手教員にまず『人権意識』を身につけてもらい、そこからボトムアップの形で学校全体に波及させていくという方法は参考にできるのではないかと思いました。 若手教員にとっては自分たちが主体となって取り組めるテーマができるということにもなり、中堅教員やベテラン教員にとっても、行政や管理職から伝達される形とは異なる、ボトムアップの形により、意識を変えるきっかけになる可能性があります。 自分の地域に戻っても、この視点を利用させてもらい、若手教員への人権研修を実践してみたいと思いました。」 ―思いを共有し、周りの教職員と一緒に人権研修をつくりあげたい 「私たちのグループでは、『みんながちょっとやる気になる校内研修』というテーマで、楽しく人権意識を高められる校内研修を考えました。 学校は日々忙しく、人権教育に関する研修や学びを得る機会は優先順位が低くなりやすく受験や成績より、ついつい後回しになりがちな学校もあります。 そんな現状の中、『人権教育、ちょっとやってみようかな』と思ってもらうためには、どんな校内研修づくりをすれば良いのかをグループで考えました。 そこで、私たちは『ひとりじゃない』という合い言葉を設定しました。人権について考えるとき、ひとりで考えたり、何かしようとするのではなく、周りの教職員と一緒になって考えたり取り組みましょう、という意味です。『人権教育』を全部一人で抱えて実践しよう、と思うと、困難や悩みも発生しますが、一緒に実践してくれる人がいると随分楽になります。 今回も、グループのメンバーと一緒に考え、話し合いながらつくることで、一人でつくるときよりも何倍も良いものを、何倍も楽しくつくることができました。この体験のように、複数人で思いや考えを共有することで、前向きに楽しく人権教育について考えることができるはずです。 今回つくった資料を活用し、自校の教職員に、『人権教育、ちょっとやってみようかな』と思えるように、この研修での学びを伝達したいと思います。」 「人権教育指導者養成研修」最終日は、各分科会の代表班による全体発表と、課題協議「「人権教育を推進するリーダーとして-研修講師、企画・運営に向けて-」を行います。