道徳教育指導者養成研修 最終日

道徳研修最終日の今日は、午前に「『考え、議論する』道徳の実践Ⅲ―代表班による模擬授業の発表・協議―」の演習・協議を行いました。午後は、これまでの研修の集大成として、文部科学省の教科調査官による講義・演習「道徳教育を推進するリーダーとして」を行いました。 受講者のみなさんに本日の感想をうかがいました。 -子どもの実態に即した授業を行う 「これまでの道徳の校内研修では、指導法に重点を置いていました。しかし、今回の演習・協議を通して、『子どもたちの実態に即したねらい』があってこその道徳教育なのだと思いました。 同じ教材を扱った模擬授業を2つ拝見したのですが、教材は同じでも、その内容や進め方は大きく異なるものでした。 子どもの実態が異なれば、授業の視点や内容が変わってくることを、深く考えさせられました。 道徳教育推進教師として、今後はまず子どもの実態を把握することが大事だと考えるので、『自分が関わる子どもたちがどのような状態にあるのか』を探ることに焦点を当てた校内研修を計画しようと考えています。」 -『自我関与』の視点を育てる 「教材の読解にとどまらず、子どもたちが『自我関与(自分だったら~)』という視点まで掘り下げるためには、教師がどのような発問をすべきかを自覚的に考えなければならない、と切に感じました。 私自身は、小学1年生でも『もし自分だったら』という視点で深く考え、発言することは可能だと考えています。 教師が練った発問を投げかけることで、子どもたちは自分の体験に基づいて、あるいは自身に引き寄せて、深く考えることができると思います。 こうした自我関与の視点が育てば、様々な背景を持つ子どもたちが、互いの考えや存在を認め合うこともできるのではないかと考えています。」 「本研修の講義で学んだことと結びつけながら模擬授業を見ることにより、『明確な指導観を持つこと』の大切さをはっきりと感じました。 例えば、教材『二人の弟子』のテーマは『よりよく生きる』です。自分の弱さや醜さと向き合い、それを克服しようとしながら、よりよい生き方を探る、というものですが、ともすると『相手を許す寛容な心を持とう』といった、少し中心からずれた結論に流れてしまいます。 子どもたちに考えさせたい道徳的価値に関わる内容が、どこに、どのように含まれているかを教師は充分に検討した上で授業を行う必要があるということを学校現場に伝えたいと思います。」 来週21日(月)からは、第1回中堅教員研修が始まります。