全国研修担当者セミナー・教職大学院セミナー 初日

本日と明日の2日間で、全国の教育委員会等の研修担当者の方と、教職大学院生を対象とした、全国研修担当者セミナー・教職大学院セミナー(合同開催)を行っています。 1日目である本日は、最初に全国の指標を用いたポスターセッションを行いました。次に、文部科学省の渡邉浩人課長補佐による講義「指標を中心とした教師の資質能力の向上に向けて」を行いました。次に、大阪体育大学の岸田正幸准教授がファシリテーターとなり、発表・協議「協議会の構築と指標の策定」を行いました。 受講者の皆さんに本日の感想を伺いました。 「ポスターセッションでは、全国の指標を参照することができ、大変勉強になりました。全国の教育委員会が共通して持つ課題として、『指標を策定はしたものの、どう周知するか』ということがあります。そこで、指標を教育委員会の『総合案内』等の冊子に掲載するのですが、それでもなかなか見てもらえないことも多いです。そうした中で、総合冊子の文中に指標のキャリアステージを組み込み、指標を参照しながら読み進められるように設計している都道府県がありました。大変分かりやすいと感心するとともに、指標を多くの方に見てもらういいアイデアだと思いました。ぜひ今後の参考にしたいです。」 「全国の指標を拝見し、とても勉強になっています。自分自身も指標の策定に関わったことで、その意義を強く実感しています。指標があることで、例えば初任者研修の最初のガイダンスで、教職員の研修体系の様々なステージを示すことができ、今後の見通しを持って研修に臨んでもらうことができます。また、指標を評価に結びつけることはありませんが、自身が教員としての力量を育めているのか、といったことを確かめたい時に、指標は一つの基準になり得ると思います。指標は『ただ策定して終わり』ではなく、教職員のために活用されていくことが大事だと思います。そして最終的には、子供たちに還元されていくよう、教職員の資質向上に繋げていきたいです。」 「私は昨年度まで教育委員会にいて、今年度から実務家教員として大学に勤務しています。今日は各教育委員会の研修に対する取り組みを知ることができて、とても参考になりました。自分のこれまでの経験も踏まえて、大学として教員の資質向上にどう関わっていけるのか、考えを深めていきたいと思います。今回、教育委員会ごとに指標が策定されたことについては、教員の養成から研修までを体系化し、目指す教師像を明確にできることで、最終的には、子供たちに身につけさせたい力を育むことに繋がっていくと思います。これまでは、個々の教員それぞれの力量に依存している部分が大きかったため、どんな力が身に付くかは担任や学校次第、ということも多かったかと思います。しかし、指標が策定されたことで、教員の資質能力の一定の質を担保することができ、そうした不公平も生じにくくなるのではないかと思います。」 明日は指標と研修計画の協議と指標の全国的動向についての発表を行います。