副校長・教頭等研修 初日

高等学校・特別支援学校等の副校長・教頭、教育委員会等の指導主事ら146名が参加する「教職員等中央研修 第2回副校長・教頭等研修」が、本日から始まりました。 当研修は、学校の適切な運営、特色ある教育活動の推進のための高度で専門的な知識等を習得し、各地域の中核として教育に取り組む副校長・教頭等の育成を目的として、10月6日までの2週間、講義・演習を行います。 本日は、文部科学省初等中等教育局の木村直人参事官による講義「新しい時代の教育」、筑波大学大学院の浜田博文教授による講義「学校ビジョンと戦略」を実施しました。 受講者のみなさんに、本日の講義の感想を伺いました。 「『新しい時代の教育』の講義で、これからの教育の方向性に関するお話の中の『学力の3要素』について理解を深めました。①知識・技能の確実な習得②(①を基にした)思考力、判断力、表現力③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度―、これらの要素をより深めるためには、学校と地域と社会の連携が大切になると思います。私は特別支援学校に所属しており、生徒の自立や社会参加を目的に、地域や地域の企業等と連携を進めていますが、社会に開かれた学校を実現するためには、地域の方をただ迎え入れるだけではなく、コミュニティスクールのように、学校や家庭、地域と役割分担をして学校教育を行っていく必要性があることを改めて実感しました。まずは、地域との結びつきをつくることが必要ですが、そのきっかけとして例えば、震災対応における地域との連携について話合いの場をつくるなどの取組が考えられます。こうした取組を行い、学校側から地域に要望・発信する機会をつくれたらよいと思います。」 「文科省の木村参事官の講話で『学校における働き方改革』についてお話がありました。日本の教員の労働時間は、諸外国に比べて長いというデータ結果を見て、業務改善の必要性を再認識しました。私の所属元でも多忙化の解消のための業務の整理が重要な課題となっています。その手がかりとして講話中に、校内研修で『明日にでもやめていい業務はありますか?』と全職員に問いかける機会をもつ、というお話がありました。今、行っている業務を完全にやめてしまうのはなかなか難しい面もありますが、まずは、こうしたことを全職員で話し合う場を持ちたいと思いました。」 「浜田講師の『学校長のビジョンは必ずしも組織のビジョンではない』という言葉が強く印象に残りました。組織に大切なのは、個人的な見解によるトップダウンではなく、対話やコミュニケーションをとおして共通の目標や共有ビジョンを形成し、協働意欲を高めることであると認識しました。また、共有ビジョンを持つためには、ミドル・アップ・ダウンの手法が有効であることも確認できました。これからもミドル・アップ・ダウンでコミュニケーションをとりながら、教育活動に取り組みたいと思います。」 「『学校ビジョンと戦略』の講義の『組織文化』についてのお話が印象に残っています。効果的な組織に変革するためには、『教師は○○というものだ』『学校は○○というものだ』といった基本的前提から変えていかなければならない、と認識しました。組織の中にいると、既存の内容を維持することがルーチンになりやすく、非効果的な規範や行動様式などに気づきにくいことがあります。浜田講師の『組織文化を言い訳にしない』という言葉が非常に印象的でした。教育の現場をよりよくするために、校内研修等でこうした学びを自校の教員のみなさんと共有し、対話をとおして、非効果的な組織文化を変えていくことが大切であると思いました。」 26日は、「カリキュラム・マネジメント」の講義と「新しい学びの推進~主体的・対話的で深い学び~」の講義・演習を行います。