学校安全研修 3日目

午前は、学校事故事例報告の講演及び、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の吉門直子安全教育調査官による講義「第2次学校安全の推進に関する計画について」を行いました。 午後は、株式会社社会安全研究所の首藤由紀所長による講義・演習「災害安全危機管理体制の現状と課題」、千葉大学の天笠茂特任教授の講義「カリキュラム・マネジメントとは」を実施しました。 受講者のみなさんに本日の感想を伺いました。 「学校事故事例報告の講演では、池田小事件の犯罪被害者ご遺族の方から、体験したことや体験を通じて学んだことなどを聴きました。率直なご意見をうかがって、非常に重く受け止めました。事件直後、学校から連絡や説明がなかったというお話がありました。『事実関係を伝えてほしい』という保護者の方々の痛切な思いが伝わってきました。保護者の方々が真実を知りたいと思うのは当然のことだと思います。保護者の方々に寄り添って、誠意ある対応をしなければならないと、改めて強く認識しました。「おはよう」と登校してきた子供たちを「さようなら」と帰すことが出来なかった場合、その理由と背景をセットで必ず保護者に伝えなければならないと実感しました。」 「池田小事件の犯罪被害者ご遺族の方のお話を聴いて、改めて学校安全に関する危機管理を徹底する必要があると感じました。現在、地域の各学校では、外部からの侵入者対策として、学校の危機管理手引に基づき、日常の校内の見回り・施錠に加え、校内に入る人に許可証としてのカードを渡して出入りを管理したり、警察と連携して「さすまた」の訓練を行ったり、といった研修を繰り返しています。一方で、自然豊かな地域性からか、どうしても教員の危機意識が低いという課題があります。事件が起こりうる確率は全国どこも同じなので、危機管理としてまずは、校内研修や訓練等で、教員一人ひとりの危機意識を高めることに勤めたいと思います。そして、日々の研修に加えて、事件の混乱の中でも対応できるよう、連絡体制の再確認も行っていこうと思います。」 「体育活動時に起きた事故と当事故を教訓とした対応テキスト『ASUKAモデル』についての講演を聴いて、事故が起きたときに想定出来る対応について、いつでも出来るようにしておかなければ、救える命も救えないということを理解し、危機感を持ちました。119番通報の方法、通報から救急車到着までに要する時間の把握、心停止のサインはどのようなものか、AEDの使い方、周囲の人への的確な指示の出し方など、改めて確認して身につけておくことが大切だと思います。また、『BLS(一時救命)についての正しい理解をもとう』といったお話もあり、救命処置の正しい知識を学ぶ必要性を強く感じました。まずは、自校の校内研修等でこの『ASUKAモデル』について教員のみなさんで学び、危機意識を高めるとともに、チームでいつでも動けるように対策を考えていこうと思います。また、未然防止の観点から、学校行事等の際に「AEDは○○に、非常口は○○にあります」と定型化したアナウンスを行うことも対策の一つになるのではないかと思います。」 「『災害安全危機管理体制の現状と課題』の演習で、防災ゲーム『クロスロード』を行いました。災害時には『正解のない状況』に直面することが多く、あいまいな状況下で、みんなで正解をつくり出すためのゲームで、意思決定についてYES、NOで答えを出します。良い決断のためには、必要な情報をできるだけ集め、多角的な視点から異論を出し合うことが必要だということが理解できました。また、迅速な意思決定を行うための訓練にもなると思います。この防災ゲームを校内研修に取り入れて、教員のみなさんと一緒に柔軟で迅速な良い決断について考えていこうと思います。」 14日は、小・中学・高等学校の部会別に、安全教育に関する年間指導計画を作成します。