中堅教員研修 11日目

本日は、午前に金沢学院大学の多田孝志教授による講義・演習「グローバル時代の教育の推進」を行いました。午後は、佐藤商会執行役員の黒岩禅氏による「特別講義」、声楽家の腰越満美氏とピアニストの丸山和範氏による「教育と芸術」を行いました。 受講者のみなさんに本日の感想を伺いました。 「午前の講義を聴いて、国際化と情報化が進み、国境を越えた交流が拡大したグローバル時代だからこそ、『対話』が必要なのだと感じました。そして『対話』をどう授業に取り入れていくかについて、深く考えさせられました。あるテーマについて話し合いをする時に、深い学びに繋がるような対話をするためには、まずは『問題を見つける視点』を持つ必要があります。問題点に目を向けずに、ただ対話をしていても、それは『活動あって学びなし』となってしまいます。まず『問題を見つける視点』を形成させる所から、『対話』は始まっているのだと思いました。」 「クリティカル・シンキング(批判的思考力)の重要性を学ぶことができました。批判的思考は、反省的・省察的態度、合理的・論理的技能、批判的・懐疑的な思考を対話に持ち込み、真摯な聴き合いによる議論の深まりをもたらす、と先生はおっしゃっていました。そうした態度・技能・思考を身につけるためにはトレーニングが不可欠で、日常的に訓練している海外の学校では、生徒が意見を求められた時に、すらすらとわかりやすく批判的な意見を述べることができていました。私は授業の中で、自由に話し合える雰囲気を作ることはできますが、『話し合うためにトレーニングをする』という発想はありませんでした。これからは、授業の合間など、ちょっとした時間に意図的に批判的思考力のトレーニングを取り入れ、より有意義な話し合いができるように努めたいです。」 「黒岩講師のお話を聞いて、教員は、子供のモチベーションを上げられる貴重な立場にいる存在であることを、改めて実感しました。家族の次に身近にいる存在だからこそ、子供のやる気を引き出せるのだと思います。黒岩講師は、高校生の時に高校を退学しようと考えていたそうですが、ある先生の影響で、それを踏み留まったそうです。その先生との出会いが、自分の人生を変えるきっかけになったとのことです。私も生徒の人生を変えるきっかけとなれるような、そんな先生を目指したいですし、若い先生たちにも、『先生によって人生が変わる人もいる』という事実を伝えていきたいと思います。」 22日は、「マネジメントの実践に向けて」の講義・演習を行います。