中堅教員研修 10日目

本日は、午前に慶應義塾大学の大木聖子准教授による講義「安全管理」、午後に、音楽座ミュージカルによる講義・演習「コミュニケーション力」を行いました。 本日の研修を終えた受講者の皆さんに、感想を伺いました。 「午前の『安全管理』では、防災教育についての新しい見方を学びました。たとえば、今学校で行っている避難訓練が、現実の災害時には機能しない場合がある、というお話に納得しました。『大きな地震が来たときには机の下に』『運動場にいるときは中央に』というマニュアル的な訓練をしていても、実際に揺れている最中には身動きすらできず、頭でわかっていても行動できない状態になります。また、起きた状況・場所によっても適切な行動は大きく変わります。従来の『昔ながらのあたり前』でこなすのではなく、現実を見て、実際に使えるマニュアルや指導方法を作っていく必要があると感じました。また、状況に応じて自主的に判断して身を守る視点・意識を持つことができる防災教育をしていきたいと思いました。」 「午後の『コミュニケーション力』では、身体を使い、声を出す演習によって、心をつかまれました。時に笑いもありつつ、会場全体が巻き込まれていきながら、コミュニケーションにおける大切なことを理解できた講義でした。自分もこんな授業がしてみたいと思いました。印象的だったのは、グループでロールプレイングをしながら行う協議です。その方法は、1回目のロールプレイで上手くいかなかったことを、グループ内で話し合って改善した上で、他のグループに移ってもう一度試してみる。そこで上手くいき、ポイントを掴むことができる、というものです。『このシチュエーションで失敗してしまった』ことを『次に生かす』という演習を実際に体験してみて、前向きに取り組むことができました。学校現場でもこうした演習方法は有効だと思います。」 「『コミュニケーション力』の講義は、最初はとても緊張していましたが、さまざまなワークを通して身体も心もだんだんとほぐれていきました。印象に残っているのは『鏡』のワークです。2人組になり、相手と息を合わせ、互いの心情を読み取りながら動きを真似し、真似されるというものです。自分が動かした身体に相手がついてきたり、自分が相手についていったり、無言の中に互いにリードしたり譲り合う場面があり、すごく不思議な感覚を体験しました。自分が動くと、相手は合わせてくれます。しかし、自分が動きすぎて、相手を引きずりすぎていないかと不安にもなります。後で話すと、相手の方も同じように考えながら行っていたそうです。そうやって互いを思いながら、相手のことを動きの中で感じていく。時間をかけるとより相手のことがわかってくる。まさにコミュニケーションで大切な『感じる』体験を味わえたと思います。」 21日は、「グローバル時代の教育の推進」「特別講義」「教育と芸術」の講義を行います。